- 中1から塾は必要か?
- 中1の塾の費用はどれくらい?
- 中学生は塾に週何回行くべきか?
こういった疑問に答えます。
中学生になると、部活や習い事が忙しくなる一方で、「定期テスト対策」「内申点対策」をしなくてはいけません。クラスの友達がだんだん学習塾に通い始めるため、親としては「うちの子もそろそろ通塾させるべきかも…」と悩みどころ。
塾の必要性を感じつつも「部活との両立ができるか?」「安くない授業料を払うだけの価値上がるのか?」がわからずに、塾に通わせるか迷ってしまいます。
そこで本記事では、中学生のリアルな学習塾事情を徹底解説します。
中1冬のうちに高校入試のライバルに「差」をつけたい方は必見です。
中学生は塾に行くべきか?中1から塾は必要か?
結論から言うと、中学1年生から塾に行くべきです。高い授業料を払ってでも、中1から通塾すべき理由は3つあります。
- 理由①:「勉強習慣」を身につけるべきだから
- 理由②:「努力家の友達」と出会えるから
- 理由③:高校入試のライバルが通塾しているから
中2・中3を含め、高校受験に向けて塾が重要だと言える理由を解説します。
理由①:「勉強習慣」を身につけるべきだから
中1から塾に通うべき理由1つ目は、「コツコツ勉強する習慣」を当たり前にするためです。
中学生になると部活や習い事が忙しくて、自宅に帰ってきてから自主的に勉強しなくなりがちです。予習/復習はもちろんのこと、学校の宿題すらサボってしまう子もいるでしょう。現実問題として、自宅でコツコツ勉強を継続するのはむずかしいですよね。
中学1年生から塾に通って、「勉強せざるを得ない環境」を作ってあげることが大切なのです。どんなに疲れていてやる気が出ない時でも、高いお金を払って塾に通っているからには、「勉強しなきゃ!」と前向きに取り組んでくれるはず。塾にもサボりがちな子がいるものの、「教科書やノートを開いて、机に向き合う」ことだけでも大きな一歩と言えます。
理由②:「努力家の友達」と出会えるから
中1から塾に通うべき理由2つ目は、「優秀な友達」から「良い影響」を得られるためです。
「頭がいい子」「マジメな子」「教育熱心な家庭の子」は、中学1年生から学習塾に通っています。小学校や幼稚園の頃から、ずーっと通塾している子も多いでしょう。そんな、「優秀な子」と友達になれるチャンスが、塾にはあります。
「勉強意欲が高い子」「成績優秀な子」が友達に多いと、あなたのお子さんもポジティブな影響を受けるという研究データは数多く存在します。以下は、研究論文です。
「マジメな友達から好影響を受けるべき」
友人や仲間集団がどのような学業的な特徴を有しているかによって,児童・生徒の学業的な特徴は友人や仲間集団の特徴に類似した方向へと変化させる傾向があるといえる。
学業に関してポジティブな特徴を有する友人をもっている児童・生徒は,学業に対してポジティブな影響を受けるのに対し,ネガティブな特徴を有する友人をもっている児童・生徒は,ネガティブな影響を受けることが示されていた。このことは,どのような友人や仲間集団に所属するかによって,彼らとどのような相互作用が行われどのような態度や行動がサポートされるかが異なることを示唆している。
引用:児童・生徒の友人関係が学業達成に及ぼす影響(一部省略)
もちろん、偏差値を上げることだけが正義ではないでしょう。有名高校に進学できたとしても、かならずしも幸せになれる保証はありません。しかしながら、「勤勉で頭が良い子」に近づく努力ができる子に成長できれば、きっと明るい未来が待っています。
学校のクラスでは出会えない、”貴重な友達”を塾で作りましょう。
理由③:高校入試のライバルが通塾しているから
中1から塾に通うべき理由3つ目は、ライバルのほとんどが、すでに受験勉強に向けて頑張っているためです。
高校入試で志望校に合格できる子は、中学1年生の時点からコツコツ動き始めています。あなたの周りにも、部活と勉強を両立している子もいらっしゃるのではないでしょうか?
文部科学省が発表した「子供の学習費調査」によると、公立の中学1年生の通塾率:57.8%、私立の中学1年生の通塾率:51.6%とのこと。公立のほうが通塾率が高い理由は、「学校の補習などのフォローが少ない」「私立はエスカレーター式がある」からだと考えられます。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学生全体 | 70.4% | 53.9% |
中学1年生 | 57.8% | 51.6% |
中学2年生 | 69.2% | 53.4% |
中学3年生 | 84.0% | 56.7% |
2年後の受験戦争でライバルになる同級生がすでに塾に通っているため、どんなに部活が忙しくても塾は必要だと言えるでしょう。
そもそも勉強のやる気がない子は、勉強しない中学生の末路5選を参考にしてください。きっと勉強意欲が高まるはずです。
中学生は塾に週何回行くべきか?
塾に通う頻度は、週1〜2日ほどが良いと言えます。理由は、以下の通り。
- 理由①:週2コマでも「勉強習慣の定着」と「苦手を作らない」を達成できるから
- 理由②:中学1年生の通塾頻度は、週1〜2日ほどだから(研究データは後述)
文部科学省の調査によると、通塾している中学生のうち68.9%が週1〜2日の頻度で塾に通っているとのこと。また、ベネッセ教育総合研究所の調査によると、通塾している中学生のうち72.1%が週1〜2日の頻度で塾に通っているとのこと。平均通塾日数は週2.2日という結果が出ています。
経済的に厳しい場合は、週1コマでも十分効果を得られます。大切なことは、ちょっとの勉強時間でも良いので、継続することです。
中学生の勉強時間まとめ
中1の平均勉強時間は「約104分」です。(学習塾を含む/平日)
「高校入試の有無」「通塾状況」「志望校の難易度」「学年」などによって必要な勉強時間は異なります。そもそも、「平均」しか勉強しないと成績は伸びません。
定期テストで成績アップをしながら、高校入試に向けて基礎固め/苦手克服したい中学1年生は「毎日コツコツ勉強する」ことが求められます。
理想的な勉強時間(中1)
- 平日:1時間以上
- 休日:2時間以上
上記の時間を毎日継続できたら、難関公立高校や有名私立高校を目指せるでしょう。少なくとも高校受験シーズンに焦る心配がなくなります。
部活と勉強を両立させるコツは、中学生が部活と勉強の両立できない理由3選で解説しました。今のうちから、少しずつ勉強を始めてはいかがでしょうか。
「学力別・時期別の理想的な勉強時間」が気になるなら、高校受験の勉強時間まとめ【偏差値50/60/65/70】をご覧ください。
中学生の塾の費用まとめ
学習塾の主な内訳は、以下の通り。
- 入塾金(入会金)
- 授業料
- テキスト代(教材費)
- 維持費
- 特別講習費(夏期講習など)
中学1年生の平均費用は「年間26万円ほど」とのこと。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学1年生 | 27.0万円 | 24.6万円 |
中学2年生 | 29.4万円 | 34.0万円 |
中学3年生 | 46.4万円 | 38.7万円 |
中学生全体 | 35.6万円 | 32.6万円 |
中学1年生の塾にかかる費用をまとめると以下の通りです。
中1の塾代(年間平均)
- 通塾している中1の塾代(公立):約27万円
- 通塾している中1の塾代(私立):約25万円
- 中1全体の塾代(公立):約16万円
- 中1全体の塾代(私立):約13万円
中学1年生の4月〜3月まで塾に通うと、合計26万円ほどがかかる計算になります。「自宅で使う教材費(通信教育など)」「家庭教師代」は含まれていないため、実際はさらに多くの学習費がかかるでしょう。
私立よりも公立のほうが「学習塾の費用」が高い理由は、【失敗】塾なしで高校受験する割合で解説しました。
塾に行かない致命的なデメリット
中学1年生が通塾しないデメリットは、「勉強の量」が圧倒的に不足することです。
勉強習慣があまりない中学生にとって、自宅学習を毎日コツコツと継続するのはむずかしいものです。想像してみてください。あなたのお子さんが、部活や習い事からクタクタで帰ってきて、夜に勉強するでしょうか。ほとんどのお子さんが、最低限の勉強しかしないはず…。
一方で、塾に通うことで勉強に苦手意識がある子でも「勉強せざるを得ない」ため、必然的に勉強時間が増えますよね。
- 中1から通塾している子:「勉強時間が多い」
- 中1でも通塾していない子:「勉強時間少ない」
たとえ塾の授業であまり集中できていなかったとしても、勉強しないよりはマシです。日々のちょっとずつの「努力量」が、高校受験の合否を決めます。
部活や習い事でバタバタしている子ほど、週1でも良いので通塾すべきでしょう。
失敗しない塾選びのポイント3つ
中学1年生にとって塾は必要であるものの、塾選びで失敗すると「成績が上がらない」だけではなく、「子どものやる気が激減」するリスクもあります。確実に信頼できる塾を見つけるコツをご紹介します。
「個別指導塾」vs「集団塾」
ほとんどの中学1年生は、「個別指導塾」がおすすめです。
なぜなら、個別指導塾には「自習のやり方を教えてくれる」「適度な緊張感があるからサボれない」「苦手科目をしっかりフォローしてくれる」などの強烈なメリットがあるからです。やんちゃで年頃の中学1年生が集団塾に行くと、「友達とサボってしまう」「わからない問題があっても放置する」「勉強した気になって、定着していない」などのデメリットが考えられます。
集団塾だと「優秀な先生」から「ハイレベルな授業」を受けることができます。しかしながら、成績に直結するかは別問題です。超難関高を目指さないなら、個別指導塾がよいでしょう。
上の図解に関して、【適性診断テスト7問】個別と集団どちらがいいか?で徹底解説しています。
絶対に3社を比較する
「こんなハズじゃなかったのに…」と、塾選びで後悔する方の共通点は、「3社を比較していない」ことが挙げられます。しっかりと比較検討をせずに、いきおいで入会するとほぼ間違いなく後悔しちゃいます。
塾選びで大切なのは、面倒だとしても3社の体験授業を受ける→各社のメリット・デメリットを冷静に比較検討することです。実際に3社の体験授業を受けないと、客観的に比べられません。
体験授業に行く価値がある「おすすめの学習塾」は後述しています。
最終判断は、子どもに任せる
ネットで評判を調べたり、実際に体験授業を受けたら、2〜3社に絞れると思います。金銭的な理由などで親主導で最終判断をしがちですが、子どもに決めてもらうべきです。
なぜなら、子ども自身が「ここに入会したい!」と決めることで、モチベーションアップにつながるからです。親に言われた塾に行くよりも、「自分で言ったからにはサボれないな」とちょっとした責任感も生まれるでしょう。
「親のせい」だと言い訳されないためにも、最後はお子さんの判断を信じてはいかがでしょうか。
中学生が塾に入るベストタイミング5選
「いつから塾に入ればいいのか?」の判断基準のヒントをご紹介します。
- 中1/中2/中3の「夏休み前」
- 中1/中2の「春休み前」
- 定期テストで平均点未満だったとき
- 部活を引退した翌日
- 難関校志望なら「今すぐ」
時期①:中1/中2/中3の「夏休み前」
塾に入る時期として「夏期講習」がおすすめな理由は、以下の通りです。
- 1年間で最もお得に入塾できるタイミングが夏期講習だから
- 30日以上の休みの過ごし方で、「勝ち組」「負け組」が決まりやすいから
6〜7月になると、ほとんどの塾で夏期講習キャンペーンを実施します。「生徒の奪い合い」のシーズンのため赤字覚悟で値下げするケースが多く、めちゃくちゃお得に入塾できるチャンスです。
中1・中2の場合、夏休みに本格的な勉強をする子は少数派です。高校受験のライバルが本気モードじゃないからこそ、差をつける絶好の機会です。部活と両立しながら、コツコツ勉強を始めましょう。
中3の場合、夏休み前に入塾する子が多いです。部活を卒業して、勉強に集中できる状況は整いました。どんなに遅くても、中3の夏休みから通塾すればギリギリ間に合います。
時期②:中1/中2の「春休み前」
塾に入る時期として「春期講習」がおすすめな理由は、以下の通りです。
- 新年度に向けて、先取り学習&総復習できる
- 春期講習キャンペーンを使えば、割引価格で入塾できる
学年が変わるタイミングが「やる気スイッチ」を入れる最適な時期です。今まで習ったすべての範囲を総復習することで、不安なく新年度を迎えられます。
春期講習を逃すと7月までお得なキャンペーンがないため、ご注意ください。
時期③:定期テストで平均点未満だったとき
塾に入る時期として「定期テストの成績が落ちた時」がおすすめな理由は、以下の通りです。
- 基礎中心の定期テストが平均点未満なら、授業についていけていない証拠だから
- 定期テストで点数が落ちているなら、勉強不足(学習習慣がない)の可能性が高いから
- 定期テストの点数が落ちたことへの危機感がある今だからこそ、子どもが納得して通塾できるから
「勉強嫌いな子」「塾に消極的な子」でも、成績が落ちたことに危機感を覚えているはずです。このタイミングを逃すと、点数がズルズル落ちてしまうかもしれません。
定期テスト&実力テストの成績がやばい子におすすめの塾は、勉強が苦手な子が行く塾5選で解説しました。定期テストの点数アップには「個別指導塾」が向いているでしょう。
時期④:部活を引退した翌日
塾に入る時期として「部活引退した翌日」がおすすめな理由は、以下の通りです。
- 部活を引退すると気が抜けてしまい、独学だと高校受験モードに切り替えるのに時間がかかるから
部活を頑張ってきた子ほど、「喪失感」を覚えてしまいます。「少しゆっくりしよう」と勉強をサボってしまうのは、かなり危険な考え方です。
現実問題として、「たくさん勉強した子」ほど志望校の合格率が上がります。塾に通うタイミングが1日遅れるごとに、志望校への合格率が下がってしまうことを認識しましょう。
時期⑤:難関校志望なら、「今すぐ」
塾に入る時期として「難関校志望は今すぐ」がおすすめな理由は、以下の通りです。
- ライバルは中1から通塾しているから
- 中2、中3になってから偏差値を大幅に上げるのはかなり難しいから
偏差値60以上の国立/難関私立を目指す子の中には、中学受験に影響で小学校時代から通塾している子も多いです。とくに偏差値70以上のトップ校を受験予定なら、中1の春から勉強し始めても「塾に行くのが遅いほう」かもしれません。
ワンランク上の高校に行くためにも、今日中に体験授業を予約しましょう。
「中学生は塾に行くべきか?」←結論:中1から必要です
子どもの将来を考えるなら、中学1年生は塾に週1〜2日は通うべきと解説してきました。
高校入試に向けて、すでに多くのライバル(同級生)が塾をメインとした勉強に取り組んでいます。そんな文武両道な友達を作るためにも、今から学習塾を活用しましょう。
この記事を見ている時点で、あなたは塾の必要性を感じているはず。
中学1年生から通塾するのが当たり前の時代。高校入試直前に焦らないためにも、早め早めに対策しましょう。