- 塾を辞めるのは甘え?
- 塾をスムーズに辞める方法は
- 退塾したら、勉強はどうすればいい?
こういった疑問に答えます。
学習塾に通っているものの、何らかの事情で「退塾」を検討中の方もいるでしょう。「塾を辞めたい」と子どもから相談された場合、保護者がどんなアドバイスをすればいいか迷ってしまいます。
高校入試・大学入試・定期テストの直前になってから後悔しないためにも、「塾を続けるべきか?」or「他の塾に乗り換えるべきか?」の判断基準が気になるところ。
そこで本記事では、「塾を辞めるべき3つのケース」と「スムーズな辞め方」を解説します。
今の塾に不満を抱えている小中高生および保護者は必見です。
「塾を辞めたい」と言われた時に親が取るべき5つの対応
「いまの塾を辞めたい」と子どもから相談された際に、保護者が取るべき対応を解説します。
まずは塾での努力を褒める
本題に入る前に、「塾で勉強に取り組んだ過程」を褒めましょう。たとえ思うような成果が出なかったとしても、お子さんなりに頑張ったはずです。
塾を辞めたいと言われた際に、「否定的・プレッシャーを与える言葉」を使うのは絶対NGです。勉強意欲を削ぐだけでなく、親子関係を悪化させるリスクがあります。
「辞めたい理由」をしっかり聞く
「なぜ塾を辞めたくなったのか?」の原因や背景を聞きましょう。
原因が分からないと、再び同じ失敗をしてしまいます。次の一手を考える上でも、退塾理由を明確にすべきです。
なお、小学生・中学生・高校生および保護者が退塾を検討するよくある理由は以下の通りです。
- 経済的な事情
- 成績が伸びない
- 先生との相性が悪い
- 集団授業のレベルが合わない
- 人間関係にストレスを感じる
- 部活や習い事と両立できない
- 他に良い塾を見つけた(乗り換え)
親に言えない「本当の辞めたい理由」を考える
子どもから聞かされた「塾を辞めたい理由」をそのまま信じるのは危険です。
なぜなら、子どもが本音で話しているかは分からないからです。親には言いにくいことが本当の理由かもしれません。
たとえば、「塾でいじめを受けている」「先生からセクハラを受けている」「今の塾だと成績が伸びる自信がない」などが本当の理由の場合、思春期の子は親に相談しにくいでしょう。「建前」や「嘘」を親に伝えている可能性があります。
反抗期の子から「本当の辞めたい理由」を引き出すのは至難のワザです。じっくり話し合ったとしても、本音を話してくれる保証はありませんよね。「子どもの表情」や「塾での成果」をもとに親が感じ取るしかありません。
将来なりたい大人像を話し合う
塾を辞めるかどうかを判断する前に、「未来」についてしっかり話し合いましょう。
「こんな未来を手に入れたい」という具体的なビジョンがないと、塾に通う目的がぼんやりしてしまい、勉強意欲が出ません。
小学生・中学生の場合は、将来の話をしてもピンとこないかもしれませんが、最低でも以下を親子で話し合うべきです。
- 将来の夢
- 目標年収
- なりたい職業
- 行きたい学校
- 就職したい会社
これらをイメージすることで、達成に必要な「学力・学歴」が見えてくるでしょう。
退塾後の学習プランを一緒に考える
塾を辞めた後の「次の一手」を今のうちに確定しておきましょう。
今後のことを考えずに退塾すると、「勉強時間が減ったまま」になってしまいます。特に成績が伸び悩んだことが理由で退塾する場合、さらに成績が悪化してしまうでしょう。
塾を辞めたあとの3つの選択肢をもとに、退塾後のことを検討してください。
塾を辞めたいのは甘え?【むしろ辞めるべきケース】
「やる気が出ないから」「めんどくさいから」が原因だと甘えと言わざるを得ません。
一方で、合理的に考えて退塾すべきケースもあります。どれかに当てはまるなら、戦略的撤退を検討しましょう。
NG例①:人間関係のストレスがある
人間関係に不安を抱えていると、塾に行くのが嫌いになるだけでなく、勉強も嫌いになってしまいます。
特に以下の場合は、今すぐに塾を変えるべきです。
- 他の生徒からいじめや嫌がらせを受けている
- 集団授業の同じクラスに気が合わない生徒が多い
- 塾の雰囲気や治安が良くない(他の生徒から悪影響を受ける)
周りの目を気にせずに勉強だけに集中するなら、集団塾よりも個別指導塾がおすすめです。
NG例②:集団塾の先生との相性が悪い
集団授業の講師に対して、不満が多い・ネガティブな印象を持っているなら、成績アップの弊害となります。
特に以下の場合は、今すぐに塾(もしくはクラス)を変えるべきです。
- 先生が生理的に嫌い
- 先生にどうしても心を開けない
- 先生が怖くて気軽に相談できない
- 先生の説明がわかりにくくて、集中して授業を聞いても理解できない
塾で成績アップする上で「先生選び」が最重要です。相性ぴったりな先生と出会うコツは、個別指導塾の選び方【3ステップで解説】で解説しました。
NG例③:努力しているのに成績が上がらない
学習塾の授業をマジメに受けつつ、宿題や課題をしっかり取り組んでいるにも関わらず、成績が全く伸びないなら赤信号です。
「塾側に致命的な問題」がある可能性を否定できません。
塾で成績上がらないなら辞めるべき?の記事でくわしく解説しました。結論としては、他の塾に乗り換えましょう。
塾のスムーズな辞め方【脱・気まずい/退会理由】
塾の辞め方を3ステップで解説します。辞めるのが気まずい方は必見です。
手順①:退塾の意思を伝える
まずは、塾側に辞める意思表示をしましょう。伝える手段は電話でもメールでも口頭(子ども経由)でも構いません。
メールやチャットだと折り返しの電話がかかってきて手間なので、親から電話するのがスムーズでしょう。
「退塾理由」と「退塾の時期」を明確に伝えてください。
退塾理由で迷ったら「経済的な事情」がおすすめです。家計のお金の話はデリケートな問題であるため、塾側もしつこく追求してきません。もちろん塾側は「経済的な理由と言ってるけど、本当は別の理由があるだろうな」とは感じています。ただ、わざわざ本音を言う必要はありません。
退塾を伝えるべきタイミングや注意点は「契約書」を必ず確認してください。以下のような「退会の通知期限」に関する条項があるはずです。
契約書の一例
生徒または保護者が退会を希望する場合、退会希望日の30日前までに書面または当塾が指定する方法(メール、電話、または所定のフォーム)により通知するものとします。
退会通知が期日までに行われない場合、退会希望月の翌月分の授業料が発生し、これをお支払いいただくものとします。
手順②:事務手続きを進める
退塾の意思を伝えたら「退塾届」をもらえます。退塾届はできるだけ早めに提出してください。
また、「授業料の支払い(未清算費用)および返金」や「教材の返却」などについても説明があるでしょう。
事務手続きは書面で行うことが一般的です。(メールや郵送だけで完結は難しいです)
手順③:最終日まで授業を真剣に受ける
退塾の手続きが終了したら、最後まで授業を受けましょう。
最終日にやるべきことは以下の通りです。
- 子:先生や友達にお礼を言う
- 子:塾に忘れ物、返却忘れがないかをチェックする
- 親:教室長に感謝の意を伝える(電話でもOK)
不義理な辞め方をすると子どもの「悪い見本」になってしまいます。退塾するときこそ、親の「かっこいい背中」を見せたいところです。
塾を辞めたあとの3つの選択肢
退塾後に取るべき選択肢は3つあります。勉強を後回しにしてダラダラ過ごすのだけはNGです。
「信頼できる塾」に乗り換える
現在に通っている塾との相性が悪かっただけで、塾を変えることで大きな成果を得られるかもしれません。
特に集団塾で成績が伸びなかった子は、個別指導塾に乗り換えれば成績アップを期待できます。集団塾から個別に変えたら成績アップしやすいの記事で、1対1・1対2授業の意外なメリットを解説しました。
塾選びで失敗しないための手順は、個別指導塾の選び方【3ステップで解説】で徹底解説しました。
通信教育や家庭教師に切り替える
学習塾がどうしても合わないなら、他の学習サービスを検討してはいかがでしょうか。「通信教育」「家庭教師」「オンライン塾」がメジャーどころです。
スタディサプリやZ会などの通信教育だけで受験対策は難しいですが、独学よりは効率が良いかもしれません。
「発達障害」や「極度の人見知り」の子なら家庭教師が向いています。ただし、授業料を抑えることが目的での個人契約はおすすめしません。
人間関係にストレスを感じて塾を辞めてしまった場合は、オンライン塾が最良の一手です。自宅にいながらタブレットやパソコンでマンツーマン授業を受けられるため、周りの生徒の視線を気にする心配がゼロです。数万人の先生から相性ピッタリな先生を選べる点も大きなメリットと言えます。
「独学」で頑張ってみる(非推奨)
塾で成績が伸びなかったからと言って、自宅学習だけで定期テスト対策・受験対策するのはおすすめできません。
なぜなら、受験のライバルはみんな塾に通っているからです。実際の「通塾率」のデータをまとめました。「中学生の通塾率」「高校生の通塾率」をご覧ください。
独学と比べて、塾に通うことで少なからず「勉強時間」と「勉強効率」が向上します。たとえ授業内容に不満があったとしても、通塾しないよりはマシなことが多いです。
もちろん塾や家庭教師を使ったからといって成績アップする保証はありません。
しかし、相性ピッタリかつ優秀な先生が担当になり、人一倍努力を重ねれば、ほぼ間違いなく学力UPを期待できます。
塾の必要性に疑問を持つ方へ
塾を辞めたいと思ったら、他の塾の体験授業を受けてみよう
退塾を検討中の方は、他の学習塾の無料体験授業をお試しするのがおすすめです。
他の塾の授業を実際に受けることで、「現在の塾の良いところ/悪いところ」を客観的に見えてきます。1つの塾の生徒しか経験がないと、今の塾のメリット・デメリットがぼんやりとしか分かりません。
いろんな塾の体験授業を受けた結果、「今の塾よりこっちの方が成績が伸びそう!」と感じる塾があれば乗り換えましょう。逆に、今の塾の意外なメリットに気づいたら継続すべきです。
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