- 高校受験で内申点は関係ない?
- 内申点が足りないなら諦めるべき?
- 内申点の上げ方に裏ワザってあるの?
こういった疑問に答えます。
高校受験が迫ってくると、受験勉強だけではなく、内申点も気にしなくてはいけません。定期テストや授業態度があまり良くなかった子の多くが「通知表」に自信がないのではないでしょうか。
内申点がそれほど高くない子にとって、「高校受験に悪影響するかどうか」が気になるところ。内申点を今から上げるのは非現実的とはいえ、高校入試と内申点の関係性は理解すべきです。
そこで本記事では、内申点を最大化するコツ+裏技を解説します。
内申点アップをしつつ、志望校に逆転合格したい中学生は必見です。
内申点の上げ方【裏ワザ】
内申点を上げる裏ワザとして、「先生に相談しまくる」のが効果的です。
教科の先生に評定の上げ方を相談することで、内申点を上げるために努力している姿勢が伝わり、サポートを受けやすくなります。成績の良い生徒は、みんなが知らないところで先生に質問しています。先生に相談することで、授業やテストのポイントが押さえやすくなり、内申点の向上につながります。
ただし、テスト前に質問するのは避けたほうが良いでしょう。テスト前は先生も忙しく、質問する生徒も多いため、好印象を持たれにくいです。普段の授業後や自習時間に質問することを心がけましょう。
1つテクニックがあります。「長時間相談する」より「何回も相談する」ほうが効果的だと言われています。心理学における「単純接触効果」です。
単純接触効果とは?
単純接触効果とは、何度も会ったり話したりすることで、その人に親しみを感じやすくなる現象です。たとえば、先生に何度も質問したり話しかけたりすると、先生もあなたに親しみを感じてくれやすくなる、ということです。
先生に積極的に相談し、適切なタイミングで質問することで、内申点を効果的に上げることができます。ぜひ、試してみてください。
内申点の上げ方【王道3つ】
ふつうの中学生が内申点を上げる方法は3つあります。
- 定期テスト・小テストで高得点を取る
- 課題や宿題の提出状況
- 授業態度・先生からの印象
②③はやる気次第で今すぐ改善できます。
①定期テストで大幅に点数アップするためには、コツが必要です。テストでいい点を取る方法【1週間前から450点を狙える】で具体的な勉強法を解説しました。ネタバレすると「解き直し」が得点UPのコツです。
内申点を上げるには「主要5教科」だけではなく、副教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)も対策する必要があります。
高校受験で内申点は関係ない?
高校入試の「合否」と「内申点」の関係性を、入試形式および高校の種類ごとに解説します。
一般入試(公立)
公立高校の一般入試では、内申点が大きく影響します。
一般入試の合否は「学力調査(筆記テスト)」と「内申点(調査書)」で決まります。学校によっては「面接」を実施することも。
配点比率(都道府県や学校で異なる)
「学力調査」:「内申点」=7:3
偏差値が高い高校の場合、「学力調査」の配点が高くなる傾向があります。
一般入試(私立)
私立高校の一般入試では、内申点は関係ないです。
なぜなら、ほとんどの私立高校は「学力検査のみ」で合否を決めるからです。内申点や面接を審査対象にする高校もありますが、学力検査が最重要なのは間違いありません。
内申点が低い子が今から努力で逆転合格しやすいのは私立高校と言えます。
推薦入試(公立・私立)
推薦入試は、「一般推薦」と「特別推薦」の2種類があります。「特別推薦」はスポーツや文化の推薦であり、ほとんどの中学生が関係するのが「一般推薦」ではないでしょうか。
私立・公立ともに一般推薦では、「内申点が合否を決める」と言えるほど大きな影響を持ちます。
一般推薦では「学力調査(筆記試験)」が行われずに、「内申点」+「面接」+「作文(小論文)」で合否が決まるケースが多いです。
配点比率(都道府県や学校で異なる)
「内申点」:「面接」:「作文(小論文)」=2:1:1
内申点が50%の配点を占めるため、どんなに面接や作文を頑張っても内申点が悪いと合格は難しいでしょう。そもそも、内申点(通知表の評定)が学年トップクラスに良くないと学校長からの推薦をもらえないので、残念ながら受験すらできません。
高校受験の内申点とは?いつの成績?
中学生と保護者が絶対に知っておきたい、内申点の基礎知識を解説します。
内申書(調査書)とは、学力・学校での活動状況をまとめた書類
内申書とは、「各教科の成績(内申点)」「学級・生徒会の委員経験」「学校行事での活動状況」「部活動や学校内外での活動実績」「出欠日数」などをまとめた書類です。
正式名称は「調査書」。高校入試の出願書類の一つです。なお、保護者と生徒は内申書を基本的には見れません。
内申点とは、9教科の評点を5段階で数値化したもの
内申点とは、9教科の評点を「1」〜「5」で数値化したものです。内申書(調査書)に記載されており、高校入試の選考で利用されます。
対象科目は、筆記試験が実施される「英語」「数学」「国語」「理科」「社会」の5教科だけでなく、「音楽」「美術」「保健体育」「技術・家庭」の実技4教科も含まれます。「内申点の対象科目は5教科だけ」だと勘違いしている方が多いので要注意。
内申点の付け方【通知表/評定】
内申点(評定)の付け方は、2021年に変更となりました。
「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4点による評価でしたが、「新学習指導要領」が導入されたことで、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力など」「学習に取り組む態度」の3点の評価に変更されました。(観点別学習状況評価)
超カンタンに説明すると、内申点の付け方は「次のトータル評価」です。(細かい基準を理解する必要はありません)
知識・技能
- ペーパーテスト(定期テスト/小テスト)のうち、知識を問う問題の結果
- 実技の出来栄え(体育/音楽/美術/技術家庭)
思考・判断・表現
- ペーパーテスト(定期テスト/小テスト)のうち、資料を読み取る問題、理由を問う問題の結果
- ノートやレポートの内容の充実度
- グループワークや発表などの出来栄え
主体的に学習に取り組む態度
- 授業態度
- 提出物
- 時事問題への関心度
- 授業に取り組む姿勢
内申点を上げる3つの方法は後述しました。
高校受験における「内申点」の計算方法
内申点の計算の仕方を解説します。計算方法は都道府県によって異なるため、学校の先生に必ず確認してください。
東京都の場合
東京都の内申点は、中学3年生のみが計算対象です。「主要5教科」の配点は1点、「実技4教科」の配点は2点です。65点満点。
計算例
9教科の評定がオール4だった場合、以下の計算になります。
・主要5教科:5教科×4=20点
・実技4教科:4教科×4×2=32点
合計:52点(65点満点)
計算例
主要5教科の評定がオール4、実技4教科の評定がオール2だった場合、以下の計算になります。
・主要5教科:5教科×4=20点
・実技4教科:4教科×2×2=16点
合計:36点(65点満点)
神奈川県の場合
神奈川県の内申点は、中学2〜3年生が計算対象です。「中2」の配点は1点、「中3」の配点は2点です。135点満点。
計算例
中学2年生の評定がオール3、中学3年生の評定がオール3だった場合、以下の計算になります。
・中学2年生:9教科×3=27点
・中学3年生:9教科×3×2=54点
合計:81点(135点満点)
計算例
中学2年生の評定がオール2、中学3年生の評定がオール4だった場合、以下の計算になります。
・中学2年生:9教科×2=18点
・中学3年生:9教科×4×2=72点
合計:90点(135点満点)
上記の計算例を比較するとわかる通り、中2の成績が良くなくても中3で頑張れば、内申点が一気に良くなる可能性があります。
内申点の計算方法は都道府県によって異なる&複雑のため、正確な計算式が気になる方は「学校の先生」に聞くのが確実です。
高校受験の内申点は、いつからの成績が対象?
結論から言うと、内申点が掲載される学年は都道府県によって異なります。
「全学年」が対象の場合もあれば、「中3のみ」が対象の場合もあります。
中3のみ | 山形県/東京都/福井県/長野県/静岡県/愛知県/三重県/兵庫県/鳥取県/福岡県/鹿児島県 |
---|---|
中2・中3 | 神奈川県/富山県/奈良県 |
中1・中2・中3 | 上記以外の33道府県 |
高校受験で内申点が足りない時の選択肢
公立の志望校合格に内申点が足りない場合、3つの選択肢があります。(中3の夏頃までなら内申点アップにむけて全力を尽くしましょう)
選択肢①:「そのまま志望校を受験する」
高校入試の合否は、「学力調査(筆記試験)」+「内申点」で決まります。配点の目安は高校受験に内申点は関係ない?で前述しています。
内申点が少し足りない程度なら、学力調査で逆転することは可能です。(内申点があまりにも足りないなら逆転は難しいかもしれません)
今すぐやるべきことは、学力調査対策です。学力調査(筆記試験)で高得点を取るのはカンタンではありません。独学での受験勉強は絶対にやめてください。
中学生に評判の良い塾をフル活用しながら、短期間で学力アップを目指しましょう。
選択肢②:「私立高校を併願で受験する」
どうしても今の志望校を目指したいなら、「そのまま志望校を受験する」かつ「私立高校も併願で受ける」ことがおすすめです。
逆転合格に向けてチャレンジしつつ、いわゆる「滑り止め」を受けて万一に備えましょう。
併願の私立に合格しておけば、気持ち的にも余裕を持って第一志望校に臨めるはずです。
選択肢③:「志望校のレベルを下げる」
内申点が大きく足を引っ張りそうなら、志望校のレベルを下げるべきかもしれません。
見栄を張ってチャレンジしても、不合格になってしまったら取り返しがつきません。
「どの程度の偏差値の高校なら合格できそうか?」は、進路指導の先生や塾の先生に相談してみましょう。
高校受験の内申点が足りなくても諦めないで!
「公立高校の一般入試」「公立/私立の推薦入試」では内申点が大きく影響すると解説してきました。
内申点がほぼ関係ない入試は、難関私立の一般入試くらいではないでしょうか。
どんな入試方法にせよ、「内申点」or「学力」のどちらかは求められます。残念ながら、「裏技」みたいな奥の手はありません。ライバルよりもたくさん勉強するしかありません。
定期テストや授業態度を改善しつつ、塾を有効活用しながら偏差値アップも目指しましょう。