- 家庭教師と個人契約する注意点は?
- 個人契約する際に、契約書は必要?
- 引き抜きは禁止?バレたらやばい?
こういった疑問に答えます。
「できるだけ授業料を節約したいから、個人契約がいいな」とお考えの方も多いでしょう。個人契約なら家庭教師センターと契約するよりも家計にやさしいですよね。
ただ、「本当にちゃんとした先生と契約できるのか?」「トラブルは起きないのか?」など、めんどくさいことに巻き込まれたくありません。お子さんの人生を左右するから、リスクやデメリットをしっかり把握した上で「個人契約するか」を最終決定したいところ。
そこで本記事では、家庭教師と個人契約する際の7つの注意点を徹底解説します。
元弁護士の見解をもとに、家庭教師選びのポイントが知りたい方は必見です。
家庭教師と個人契約する7つの注意点
家庭教師と個人契約をするときに、気をつけるべきことをご紹介します。
「生徒/保護者」が注意すべき点
指導歴/学歴にウソがないか調べよう
- 現役慶應生だと思って信頼していたのに、実は低偏差値の大学生だった…
- 家庭教師として3名の受験生を第一志望校に合格させた実績があると思っていたのに、人生初めての生徒がうちだった…
学生証や卒業証書などを提示しない場合は、いくらでも経歴を盛れます…。「できるだけ高時給にしたい」「他の人よりも自分を選んでもらいたい」と意図的に経歴を偽るバイト講師がいても不思議ではないですよね。
もちろん知人の紹介などで経歴/実績が保証されているなら安心です。しかし、念には念を入れて、契約前の面談で学生証や卒業証書などをちゃんと確認しましょう。
いきなり長期契約するのは避けよう
- 他の先生にチェンジしたいけど、長期契約しちゃったから解約するのがむずかしそう…
- なかなか成績アップしないから解約したいけど、こちらから契約終了を言うのが申し訳ない…
長期契約前提で進めてしまうと、先生を交代しにくくなってしまいます。ミスマッチを防ぐために「まずは1ヶ月契約」が良いでしょう。
短期契約にすることで、「解約したい!」と申し出る必要がなくなるため精神的にもラクになるでしょう。残念ながら最初の先生とお子さんの相性がいきなりバッチリになる確率は極めて少ないです。先生を交代する前提で家庭教師を選びましょう。
具体的な流れとしては、「無料体験授業(または少額を支払う)」→「1ヶ月契約」→「3ヶ月契約」がおすすめです。
契約前にこどもを交えて面談を行おう
- 実際に授業をしてもらうと、性格や態度がイメージと違いすぎる…
- もっとスムーズに授業の段取りをしてくれると思っていたのに、全然ダメだ…
講師としっかりコミュニケーションを取らずに契約してしまうと、想像と違うリスクが高くなります。たとえ信頼できる人からの紹介だったとしても、相性が良い保証はありませんよね。いくら指導実績が豊富でもあなたのお子さんのモチベーションが上がらないと成績向上は見込めません。
だからこそ、契約前に「こども」と「先生」の相性をチェックする時間が必要なんです。
指導範囲/指導時間/報酬について契約書を結ぼう
- 面談時に聞いていた授業内容とぜんぜん違うことをやっている…
- 相性が合わないから途中で契約解除をお願いしたら、違約金を請求された…
- 「成績を上げるために教材を購入した」と言われ、購入後に教材費を請求された…
「口約束」「ザックリした契約」はトラブルの原因になります。とくにお金がからむトラブルは裁判沙汰になりかねません。
たとえ信頼できそうな先生だったとしても、授業を始めてから豹変する可能性もあります。そんな時に契約書がないと、かなり面倒くさいことになってしまうかもしれません。
ムダな出費を抑えるためにも、お子さんの将来のためにも、ちゃんと契約書は結びましょう!なお、契約書の作り方は後述しています。
また、先生のスケジュール感もしっかり聞いておくことが大切です。特にアルバイト講師の場合は、「大学の授業/試験」「長期旅行」「他のバイトとの兼ね合い」「趣味」などで、1ヶ月くらい授業を受けられないケースもあります。
可能な限り、事前の面談でお互いの状況をクリアにしておきましょう。
「アルバイト講師」が注意すべき点
生徒/保護者の言いなりに
個人契約でアルバイトをしていると、どうしてもご家庭(保護者)からの意見にNOを言いにくくなります。ご家庭によっては毎回のようにムチャブリをされるかもしれません。
「(お金をもらっていないのに)LINEで質問してくる」「毎回のように、授業後に進路の相談をされる」などが挙げられます。
正直、ご家庭によって当たりハズレがあるので、「時給が高いから」という理由だけで契約するのはおすすめできません。
トラブル(授業料の未納など)は、すべて自己責任
家庭教師センターと違って、個人契約は自己責任です。「成績が上がらなかった」という理由で、クレームに発展するかもしれません。
自分の身を守るために、契約書をしっかり交わすことを強い推奨します。
家庭教師センターからの引き抜き(個人契約)は、損害賠償のリスク大
大手家庭教師センターで知り合ったご家庭とこっそり個人契約してしまうと、損害賠償や違約金を請求される危険性があります。規約に禁止/違反しているかもしれません。
実際に数十万円の違約金を請求されて悩んでいるアルバイト講師もいます。
家庭教師のトライで教えている学生です。先日、家庭間で「個人契約の話題を出したこと」がトライに発覚し、違約金300万と退学を命じられるかもしれません。
引用: Yahoo!しごとカタログ
個人契約の家庭教師でよくある5つのトラブル
先生とご家庭間で起こりうる、絶対に避けたいトラブルをご紹介します。
- 経歴詐称
- セクハラ
- 成績が伸びない
- お金(解約金、教材費、授業料の値上げ交渉)
- スケジュール・遅刻・無断欠勤
トラブル予防のためには、「ちゃんと契約書をつくる」「異性の先生は避ける」「依頼内容を明確にする」ことが大切です。
とくに「女の子」と「男の先生」は絶対にやめておいた方が良いでしょう。そこそこ大手の家庭教師センターから紹介された先生ですら、セクハラ(強制わいせつ)などで逮捕された事件がいくつもあります。個人契約ならさらにセクハラ被害の可能性が高まるかも…。
先生を信頼することも大切ですが、「疑う目」を持つことも必要といえます。
セクハラ被害のリスクをゼロにしたいなら、画面越しに指導してもらえるオンライン家庭教師がおすすめです。
家庭教師と個人契約する際に、契約書は必要なの?
個人とトラブルなく契約する方法を解説します。
お互いによほどの信頼関係がない限り、契約書を交わすことを推奨します。多少めんどうですが、自分を守るためにも契約書は必須だといえます。
契約書の注意点
契約書を作成する際のポイントは3つあります。
- あいまいな表現がないか?(金額・契約期間など)
- 一方的な契約内容になっていないか?
- 法的に認められていない内容が入っていないか?(成果保証、違約金など)
契約書を交わした経験がない方は、以下のテンプレを参考にしてもよいでしょう。
契約書のテンプレート配布<個人契約>
個人契約する際の契約書テンプレートを作成しました。下記リンクから、「コピペ」してご利用ください。
- パソコンから操作(コピー&編集)いただくことを推奨します。
- 左上の「ファイル」>「コピーを作成」してください。
- 当テンプレで起きたトラブル等の責任は一切お受けできません。
- 弁護士等の専門家の意見を聞いた上で契約書を作成してください。
【元弁護士に聞いた】個別契約でトラブルを防止するコツ
法律の専門家にアドバイスをもらいました。
- 京都大学在学中に司法試験に合格
- 弁護士歴10年
- 「陽花法律事務所」を7年間経営
- 借金問題・債務整理・離婚トラブル・交通事故・遺産相続などを担当
- 弁護士から法律ライターに転身
個人契約の家庭教師との「契約書」で明記すべき内容は?
以下のような内容は必ず書き入れましょう。
- 授業料の金額:
月○○円など、金額は明記しましょう。 - 料金の支払い時期:
授業の都度支払うのか、1ヶ月分をまとめて翌月の○日までに支払うのか、など定めます。 - 支払い方法:
家庭教師の指定する口座へ送金、現金で渡すなどの方法を定めます。 - キャンセルの場合の連絡:
キャンセルする場合、いつまでにどのような方法で相手に通知すべきかも定めておきましょう。 - 交通費の負担:
交通費はどちらが負担するのか、場合によってはいくらまで負担するのかなど明らかにしましょう。 - 自由に解約できること:
解約条件について、生徒側は自由に解約できると定めておくと有利です。 - 解約の方法:
解約する場合、口頭で良いのか書面を必要とするのか、事前通知が必要なのかなど定めておきましょう。 - 契約が終了する条件:
教師が不適切な行動をとった場合、保護者側が授業料を払わない場合、子どもの事情が変わった場合など、契約を終了する条件についても定めておくと良いでしょう。 - 解約時の清算方法:
解約時、既に支払った料金や未払いの料金があれば清算する方法を定めておきましょう。
契約書の条項ができたら、日付を入れてお互いが署名押印し、1通ずつ所持します。
なお、相手が個人であっても「営業の意思を持って反復継続して業務を行っている」場合には「特定商取引法」が適用される可能性があります(契約期間が2か月超で金額が5万円超)。するとクーリングオフも可能となり、中途解約の場合の違約金なども制限されます。
個人契約の家庭教師との「お金」のトラブル予防策は?
まずは、しっかりと取り決めを行って両者が共通認識を持つ必要があります。たとえば、金額・支払い時期・支払い方法・交通費などについて取り決めましょう。
その上で、合意内容を明らかにした契約書を作成します。契約書へ記載する内容は、上記を参考にしてみてください。
契約書があれば、なにか問題があったときに契約書に沿って対応できるので、トラブル拡大を防げます。
個人契約の家庭教師とトラブルになってしまった場合の解決策は?
トラブルの内容にもよりますが、まずは自分の主張をまとめましょう。たとえば「解約したい」「損害賠償をしたい」「料金を返還してほしい」などいろいろな要求事項が考えられます。
要求事項が固まったら、家庭教師側へ通知をしましょう。相手と話し合って合意すれば解決できます。大抵の場合、話し合いで解決できるでしょう。
どうしても合意できない場合には、裁判所で調停を行うか、弁護士を間に入れて話し合ったり裁判を起こしたりしなければならないケースもあります。弁護士による助言が必要な場合、インターネットサイトなどで法律事務所のHPを探したり弁護士会や法テラスを利用したりして、弁護士に対応を相談してみるようおすすめします。
トラブルを避けたいなら、個人契約の家庭教師をあきらめよう
個人契約は費用面でお得なものの、「トラブル発生時の精神的負担」や「損害賠償のリスク」などの致命的なデメリットがあります。メリット以上にデメリットが多いため、個人契約はあまりおすすめできません。
家庭教師選びで最重要ポイントは「生徒と先生の相性」です。いくら学歴が高く優秀な先生に教えてもらえたとしても、子どもの性格/学力/趣味などによって向き不向きが出てきてしまいます。
個人契約と違って大手家庭教師センターなら、先生の交代をカンタンに無料で行えます。確実にお子さんと相性ピッタリの先生を見つけたいなら安くて本当に信頼できる家庭教師3選+αから選ぶのが良いでしょう。
トラブルを避けつつ、あなたのお子さんにピッタリの家庭教師が見つかることを祈っております。