- 勉強しない中学生の末路は?
- 中学生が勉強しない原因と解決策は?
- やる気を引き出す親の関わり方は?
こういった疑問に答えます。
中学1年生・中学2年生になると、部活や習い事が忙しくなる一方で、コツコツ勉強する習慣も身に付けなくてはいけません。中学3年生になると、受験勉強を本格スタートしないと手遅れになります。
ただ、反抗期かつ思春期のお子さんに対して、「勉強しなさい!」と何度も言うのはお互いに関係性を悪くするだけです。子どもの将来が心配だからこそ、接し方に迷ってしまいますよね。
そこで本記事では、中学生がやる気&成績をアップさせる具体的な方法をご紹介します。
お子さんの勉強への向き合い方に対して、イライラと疲れた保護者の方は必見です。
勉強しない中学生の末路5選
中学生のお子さんが勉強しないままで、保護者がほっとくと「悲しい末路」が待っています。
偏差値が低い高校に進学する
偏差値40ほどの高校にしか合格しなくなる可能性があります。
偏差値が低い高校=悪い高校ではないものの、デメリットがたくさんあるのも事実でしょう。
- ヤンキーが多く、治安が悪い
- イジメや犯罪が多い傾向がある
- 授業のレベルが低く、大学受験でさらに不利になる
- まじめに勉強する子が少なく、さらに勉強意欲が落ちる
あなたの近所の高校を想像してみてください。「偏差値が高い高校」と「偏差値が低い高校」なら、前者のほうが子どもの将来は明るくなりそうですよね。
定時制や通信制の高校に進学する
全日制(一般的に高校のこと)に合格できず、定時制や通信制の高校しか選択肢がなくなる可能性があります。
定時制や通信制もれっきとした高校ではあるものの、大学入試や就職時に「不利」になるのは間違いありません。社会人になってからも、偏見の対象になるリスクも考えられます。
どんなに倍率が低い高校でも、入試で合格するためには「調査書」「学力検査」「面接」を受ける必要があります。中1の内申点が悪いと、どんなに学力検査(筆記試験)で頑張っても合格するのは難しいでしょう。
あなたのお子さんの通知表に「1」「2」ばかりなら、今すぐ対策が必要です。
高卒認定試験を受ける
高校進学を諦める&進学してもすぐに退学し、「高卒認定試験」を受けざるを得なくなる可能性があります。
高卒認定試験とは、大学や専門学校への受験資格を得るための試験です。中卒の方が、大学に興味を持った場合に必須。
高等学校卒業程度認定試験は高等学校を卒業していない方が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。試験の合格者は、国、公、私立のどの大学、短大、専門学校でも受験でき、就職や各種の資格試験等においても活用することができます。
引用:文部科学省
悲しい事実として、高卒認定試験を取ったとしても「中卒」に対する偏見や差別はあるとのこと。
子どもの将来を考えても、高校には進学してほしいですよね。
高校に進学せず働く(中卒)
中卒のまま社会人デビューしてしまう可能性があります。
中卒で働くこと自体は悪いことではありません。むしろ、16〜17歳から社会人として働くのはすごいことですよね。しかしながら、「最低でも高校には通ってほしい…」と願うのが親の本音ではないでしょうか?
中卒で良い会社に就職できれば問題ないものの、学歴もスキルもない子を雇ってくれるちゃんとした会社はほぼゼロです。「製造業」「建築業」「運輸業」などの肉体労働や、「飲食業」「アパレル」などの低賃金の就職先しかありません。
ユースフル労働統計によると、「中卒」と「大卒/大学院卒」の生涯年収の差は7,000万円ほどとのこと。中卒のほうが7年もたくさん働いているにもかからず、生涯年収は完敗です…。
- 「大学/大学院卒」:2億6920万円
- 「高専/短大卒」:2億1550万円
- 「高校卒」:2億1140万円
- 「中学卒」:2億180万円
無職・フリーター・引きこもり
10代のニートになってしまう可能性があります。
厚生労働省の調査によると、「ニートには、学校教育段階でつまずきを経験している者が多い」とのこと。勉強ができないことが原因で、「劣等感」「強いストレス」に繋がってしまうかもしれません。
中学生が勉強しない5つの理由
「学習習慣がない子」「三日坊主になりがちな子」には、共通の原因があります。
理由①:勉強の必要性を感じていない
多くの中学生は勉強の重要性を実感していません。高校受験までまだ時間があるため、「今すぐ勉強する必要がない」と考えがちです。特に公立校の生徒や中学受験を経験していない生徒に多く見られる傾向です。
理由②:成績が落ちて、勉強が嫌いになっている
中学校の定期テストは小学校より難しく、範囲も広くなります。そのため、テスト勉強をしないと成績が下がり、勉強意欲も低下します。この成績低下と意欲減退の悪循環が続くと、勉強嫌いがさらに加速してしまいます。
理由③:部活&習い事が忙しくて、勉強する時間がない
部活動や習い事で忙しい生徒は、勉強時間の確保が難しくなります。宿題をこなすだけで精一杯で、予習や復習まで手が回らないのが現状です。こうした生徒には、オンライン塾が効果的です。週1回1時間の授業で最低限の学習時間を確保できるからです。
理由④:反抗期のため、保護者の言うことを聞きたくない
反抗期の中学生は、親からの勉強の促しに反発しがちです。「勉強しなさい」という言葉が逆効果になることも少なくありません。したがって、この時期は子どもの自主性を尊重するアプローチが効果的です。
理由⑤:「勉強しないのがかっこいい」と勘違いしている
一部の中学生は、「勉強しないことがカッコいい」という誤った価値観を持っています。そのため、真面目に勉強することを「ダサい」と捉え、学習意欲が低下してしまいます。こうした中学生特有の価値観を理解し、適切にサポートすることが大切です。
勉強しない中学生の「やる気」を引き出す方法
反抗期・思春期の中学生のモチベーションを高める方法を解説します。
「嫌い」→「好き」になる方法は、ベネッセ教育総合研究所の調査で証明されています。
解決策①:「勉強時間」を増やす
勉強時間を増やすことで、勉強を好きになりやすいという研究データが出ました。
- 「嫌い」→「好き」になった子の勉強時間:131分/日
- 「嫌い」→「嫌い」のままな子の勉強時間:89分/日
勉強時間とは、中学生が学校以外で勉強する1日の合計時間を指します。
「勉強が好きになった子」=「勉強時間が増えた」、「勉強が嫌いになった子」=「勉強時間が減った」という分かりやすい結果になりました。
勉強時間が増える→成績が少しずつ上がる→勉強の楽しさを感じる→さらに勉強時間が増える…といった好循環が生まれているのでしょう。
解決策②:「勉強のライバル」を作る
「勉強のライバルを作る」「志望校を明確にする」ことで、勉強意欲が高まるという研究データが出ました。
勉強を「嫌い」→「好き」になった子が勉強する理由は「友だちに負けたくないから」「自分の希望する高校に進みたいから」とのこと。
信頼できる学習塾に通えば、「進路相談で志望校が明確になる」「良きライバルと切磋琢磨できる」ようになります。
一方で、「先生や親にしかられたくない」から勉強している子は、勉強嫌いが加速してしまうそうです。逆効果のため、保護者からテストの点数について注意するのは避けましょう。
解決策③:「父親」との会話量を増やす
勉強を「嫌い」→「好き」になった中学生ほど、父親と「勉強や成績」「将来や進路」「社会のニュース」について会話しているという研究データが出ました。
「学校での出来事」「友達のこと」の話題は、勉強嫌いの克服にはつながらないとのこと。
母親は、「子供と父親が話しやすい雰囲気を作る」「子どもを励ます」ことがベストな役割と言えます。
両親が絶対に知っておくべき「保護者の関わり方」は後述しました。
中学生の理想的な勉強時間は?
定期テストや高校入試には「ライバル」がいます。ライバルに差をつけられる前に、「同学年の子よりも勉強できているのか?」をチェックしましょう。
中1の平均勉強時間
中学1年生の1日の平均勉強時間は、1時間45分です。中1男子の勉強時間は1時間39分、中1女子の勉強時間は1時間52分とのこと。
- 学習塾:16分
- 家庭学習:31分
- 宿題:57分
中2の平均勉強時間
中学2年生の1日の平均勉強時間は、1時間42分です。中2男子の勉強時間は1時間43分、中2女子の勉強時間は1時間42分とのこと。
- 学習塾:21分
- 家庭学習:30分
- 宿題:51分
中3の平均勉強時間
中学3年生の1日の平均勉強時間は、2時間14分です。中3男子の勉強時間は2時間7分、中3女子の勉強時間は2時間19分とのこと。
- 学習塾:39分
- 家庭学習:44分
- 宿題:51分
偏差値ごとの勉強時間が知りたい方は、高校受験の勉強時間まとめ【偏差値50/60/65/70】をご覧ください。
【親の接し方】勉強しない&反抗期の中学生は放っておくべき?
保護者の子どもへの接し方によって「嫌い」→「好き」になることが、ベネッセ教育総合研究所の調査で証明されています。
1年前に勉強嫌いだった中学生が、以下3つの「保護者のかかわり方」で勉強が好きになったとのこと。
- とことん励ます
- 勉強のやり方を教える
- 勉強のおもしろさを教える
小中学生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもの保護者ほど、勉強も教えて励ましもする「勉強&励まし」の比率が高かった。勉強が「嫌いから好き」になった中学生では、「勉強のおもしろさを教える」保護者が多かった。「勉強のやり方を教える」でもやや差がついており、保護者のかかわりの重要性がうかがえる。
引用:ベネッセ教育総合研究所の調査
上記から、「励ます/褒める」だけでは意味がないことが判明しました。大切なことは、具体的な勉強法を教えつつ、ワクワク勉強できるように動機づけすることです。
もしお子さんが「反抗期」に突入しているなら、親から励まされたり勉強を教えられるのは嫌がるでしょう。反抗期の子なら、学習塾や家庭教師を活用してはいかがでしょうか。
テスト勉強しない中学生向けの勉強法【中間テスト&期末テスト】
定期テスト対策の具体的な勉強方法を解説します。
「プリント」「ノート」「小テスト」を用意する
「配布されたプリント」「板書されたノート」「小テスト」をしっかりとそろえましょう。学校を休んだり、授業をサボったりすると、「自分だけ持っていない状態」になってしまいます。
効率よくテスト勉強するためにも、まずは配布物やノートを100%にしましょう。もし不備があるなら、友達にコピーさせてもらってください。
平日3時間・土日8時間を目指そう
定期テスト前の勉強時間は、平日3時間・土日8時間を目標にしてください。
また、3週間前から勉強を始めると良いでしょう。ほとんどの子は部活が休みになる1〜2週間前から本格的に始動します。
勉強時間を確保するために、テスト期間だけでもスマホ・ゲーム・YouTubeなどの利用ルールを決めるのがよいかもしれません。
中間テスト/期末テストはそこまで難しくないため、どんなに成績が悪い子でも「努力」でカバーできます。
先生の「ヒント」を見逃さない
授業中に先生がヒントを出してくれることがあるので、ふだんから集中して授業を聞きましょう。
「ここ大事ですよ」「これテストに出るかもしれないですよ」「ここ印をつけといて」と先生が言ったら、メモを忘れずに。ほぼ間違いなくテストに出題されます。
「ワーク」「プリント」「小テスト」を徹底的にやりこむ
定期テストの出題範囲は、「授業でやった内容」だけです。言い換えるなら、授業中に行った内容&宿題をすべて理解するだけで、学年のトップクラスを狙えます。
90点を狙うなら、テスト範囲の「ワーク」「プリント」「小テスト」だけを繰り返し行いましょう。新しい参考書や問題集を買う必要は一切ありません。
効率的な勉強法は、テストでいい点を取る方法【1週間前から450点を狙える】で解説しました。誰でも90点を突破するチャンスがあります。
「ライバル」を作って、やる気をキープする
定期テストでいつもより高得点を目指すなら、「どっちの点数が高いか」を勝負できるライバルを作りましょう。
解決策②:「勉強のライバル」を作るで解説した通り、勉強意欲の向上には「友だちに負けたくない」と切磋琢磨することが有効です。
どんなにコスパ良く勉強できたとしても、モチベーションが続かないと成績アップは望めません。「学力がちょっと上の友達」と競いながら、一緒に勉強してはいかがでしょうか。
やる気を引き出す!中学生におすすめの学習塾5選
勉強のやる気がない子におすすめの学習塾をご紹介します。「やる気ゼロ」かつ「勉強が嫌い」な中学生こそ、以下がおすすめです。
「ちゃんとした塾」で「相性ぴったりの先生」に出逢いさえすれば、反抗期の子ですら前向きに勉強してくれるようになるでしょう。
学習塾をうまく活用すれば、勉強が好きになれる!
「勉強嫌いな子」「勉強する習慣が全然ない子」でも、以下3つの方法を実践することで勉強が「好き」になれると解説しました。
- 解決策①:「勉強時間」を増やす
- 解決策②:「勉強のライバル」を作る
- 解決策③:「父親」との会話量を増やす
解決策①と②のためには、学習塾がピッタリです。中1から塾に通うべきか迷っているなら、中1から塾は必要か?が参考になります。中2のお子さんなら、中2から勉強を巻き返しできるか?をご覧ください。中学3年生(受験生)は、中3の夏休みに勉強してないと手遅れ?が必見です。
解決策③のためには、家族との仲を深めることが大切だと言えます。
「中学1年でちゃんと勉強しているか?」は内申点に直結します。「中学2年でちゃんと勉強しているか?」は高校入試に向けた基礎学力に直結します。「中学3年でちゃんと勉強しているか?」は高校入試の合否に直結します。
受験直前になってから後悔しないためにも、いますぐ一歩を踏み出しましょう。