- 大学受験で塾なしの割合は?
- 国公立や難関私立大学に合格できる?
- 塾なしだと大学受験に失敗しやすい?
こういった疑問に答えます。
大学受験に向けて本格始動したい高校生にとって「塾に行くべきか?」は重要な選択です。「塾の必要性」を認識しているものの、経済的な面を考慮して「塾なし(完全独学)」を検討中の方もいるでしょう。
学習塾/予備校に通うことを決断するにあたり、「ライバルの動向」が気になるところ。塾なしでも国公立や難関私立大学に合格できるのか確認しておきたいですよね。
そこで本記事では、「完全独学でも国公立&難関大学に合格できるのか?」を徹底解説します。
大学受験で絶対に失敗したくない高校生と保護者は必見です。
大学受験で塾なしの割合は40%未満

塾や予備校に一切行かずに大学受験をした高校生は40%未満だと推察できます。
「塾なしの割合」を示す公的なデータはありませんが、以下の3つの調査結果から、大学受験生のリアルな通塾事情が見えてきます。
- 受験生全体の通塾率は60〜70%(塾なしは30〜40%ほど)
- 国公立&難関私立を目指す層の通塾率は70%以上(偏差値が高いほど通塾率も高い)
- 高校生の通塾率は年々増加傾向にある
- 塾なしで第一志望校に合格するケースは「圧倒的に少ない」
特に、偏差値60以上の国公立・難関私立大学を目指す層に限れば、完全独学で合格できる割合はかなり低いでしょう。偏差値が高い生徒ほど、学習塾や予備校を「武器」として活用しているのが現実です。
データから導き出される結論として、今の偏差値よりワンランク上の大学に合格したいなら、塾を利用すべきだと言えます。
調査①:「高校生の通塾率」

公立・私立を問わず、3人に1人が塾に通っているとのことです。
「大学受験をしない子(高卒など)」もデータに含まれるため、大学受験する子の通塾率は7割以上だと推察できます。
| 公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 高校生全体 | 33.2% | 38.3% |
| 高校1年生 | 30.7% | 35.3% |
| 高校2年生 | 30.7% | 37.6% |
| 高校3年生 | 37.9% | 42.1% |
文部科学省のデータでは「約4割」に見えますが、「就職希望者」「専門学校進学者」「推薦で早期に合格が決まった生徒」も含まれています。
つまり、一般選抜(学力試験)で大学を目指して最後まで戦う受験生に限れば、通塾率は圧倒的に高くなるのが現実です。「周りも行ってないから大丈夫」と油断するのは危険と言えるでしょう。
調査②:「通塾率の推移」
高校生全体の通塾率は、年々増え続けています。
下記のデータは9年ほど前のものなので、2024年は40%以上の高校生が塾を利用していることが推察できます。塾にかける費用も大幅に増えています。

この右肩上がりのグラフは、大学受験において「学校の授業だけでは対応しきれない(=塾のサポートが不可欠)」と考える家庭が増えている証拠です。
ライバルの多くが「塾の自習室」や「プロの受験戦略」を活用している中で、完全独学で戦うのは、武器を持たずに戦場に出るようなものかもしれません。
調査③:「偏差値別の通塾率」
偏差値55以上の高校生の「41.5%」が塾に通っています。
下記のデータは、(頭が良いけど)「大学進学しない人」「総合型選抜/学校推薦型選抜で進学する人」も含まれています。
「国公立」「GMARCH」「関関同立」レベル以上を目指しているなら塾は必須です。

データを見ると「偏差値が高い層ほど、塾を利用している」という相関関係がはっきりと出ています。
難関大学を目指す層にとって、塾はもはや「成績が悪いから行く場所」ではなく、「合格するために必要な投資」として捉えられています。偏差値60以上の大学を目指すなら、通塾はスタンダードな選択肢と言えるでしょう。
塾なしの大学受験が失敗しやすい3つの理由

塾なしで大学受験に挑み、結果として第一志望校に届かなかった受験生には、共通する3つの「敗因」があります。
「なんとなく理解した」だけで放置してしまうから
塾なしが失敗につながる原因1つ目は、「わかったつもり」のまま試験本番を迎えてしまうことです。
参考書の解説を読んで「なるほど」と納得しても、それはあくまで「理解した(インプット)」だけであり、自力で「解ける(アウトプット)」状態ではありません。
プロの講師がいれば「本当に理解できているか?」をその場で確認してくれますが、独学では自分への甘えが出てしまい、定着度の確認がおろそかになりがちです。
その結果、模試や本番で応用問題が出た瞬間に手も足も出ず、「基礎は固めたはずなのに…」と後悔することになります。
「スケジュール管理」を妥協してしまうから
塾なしが失敗につながる原因2つ目は、自分で立てた学習計画が「絵に描いた餅」に終わることです。
「夏休みまでに英単語を完璧にする!」と決意しても、部活で疲れた日や誘惑に負けた日に「明日やればいいや」と妥協してしまいます。自分を律してくれる監視役(塾の先生)がいないため、一度の遅れが雪だるま式に膨らみ、入試直前になっても受験範囲が終わらないという事態に陥りやすいのです。

「モチベーション維持」がむずかしいから
塾なしが失敗につながる原因3つ目は、孤独な戦いに耐えきれず、メンタルが折れてしまうことです。
ライバルたちが「塾の自習室」という最高の環境で遅くまで勉強している中、一人で机に向かい続けるのは想像以上に過酷です。模試の判定が悪かった時やスランプに陥った時に、相談できる相手や励ましてくれる仲間がいないと、どうしてもネガティブな思考から抜け出せなくなります。
「勉強せざるを得ない環境(塾の自習室)」に身を置くライバルとの「圧倒的な勉強量の差」は、受験直前期に決定的な実力差となって現れます。
大学受験の勉強時間【独学向け】

大学入試対策に向けて、高校生が目標にすべき勉強時間をまとめました。「学習塾/予備校」の授業を含む合計勉強時間です。
| 高校1年生 (標準レベル) | 高校1年生 (難関大学) | 高校2年生 (標準レベル) | 高校2年生 (難関大学) | 高校3年生 (標準レベル) | 高校3年生 (難関大学) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 春休み | 3時間 | 4時間 | 4時間 | 5時間 | 5時間 | 8時間 |
| 1学期(平日) | 1時間 | 2時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
| 1学期(休日) | 2時間 | 4時間 | 3時間 | 4時間 | 8時間 | 10時間 |
| 夏休み | 3時間 | 5時間 | 4時間 | 6時間 | 8時間 | 10時間 |
| 2学期(平日) | 1時間 | 2時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
| 2学期(休日) | 2時間 | 4時間 | 3時間 | 4時間 | 8時間 | 10時間 |
| 冬休み | 3時間 | 5時間 | 6時間 | 8時間 | 8時間 | 12時間 |
| 3学期(平日) | 1時間 | 2時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
| 3学期(休日) | 2時間 | 4時間 | 3時間 | 6時間 | 8時間 | 12時間 |
一般的に、難関大学に合格するためには、高校3年間で「3,000時間〜3,500時間」の勉強が必要だと言われています。
上記の表を見て、「こんなに勉強できない…」と感じた方もいるのではないでしょうか。
特に「休日10時間以上」や「平日5時間以上」を、誰の監視もない自宅で、自分一人の意志だけで継続するのは至難の業です。スマホやテレビの誘惑に負けず、毎日コンスタントにこの時間を確保できる高校生はごくわずかでしょう。

塾なしでも国公立・難関大学に合格する条件3選

偏差値60以上の国公立や難関私立大学に「完全独学」で合格できる高校生は、ほんの一握りです。
「塾代を浮かせたい」という理由だけで安易に独学を選ぶと、取り返しのつかない結果になります。塾なしで合格するためには、以下の3つの絶対条件を満たしている必要があります。
合格から逆算して「学習計画(PDCA)」を回せる
塾なし受験における最大の壁は、「何を、いつまでに、どのくらいやるか」を全て自分で決めなければならない点です。
塾にいればプロがカリキュラムを作ってくれますが、独学の場合はあなたが「受験のプロ」になる必要があります。「志望校の配点」や「出題傾向」を分析し、今の自分に足りない力を埋めるための参考書を選定し、日々のスケジュールに落とし込む。そして、計画通りに進まなければ修正する。
高度な「セルフマネジメント能力」がなければ、難関大の膨大な範囲を終わらせることは不可能です。
大学入試の情報収集を自力で完璧にできる
大学受験は「情報戦」です。特に国公立大学は「共通テスト」と「2次試験」の配点比率や、科目ごとの難易度が大学によって大きく異なります。
塾生は「この大学は英語の配点が高いからここを重点的に」「今年の傾向はこう変わる可能性がある」といった最新情報を先生から入手できますが、独学の場合はすべて自分でリサーチしなければなりません。
情報収集を怠り、「頑張って勉強した箇所が入試に出なかった」という悲劇は、独学受験生によくある失敗パターンです。
孤独に打ち勝ち、圧倒的な「勉強量」を確保できる
最後の条件は、強靭な「メンタル」です。
ライバルたちが空調の効いた塾の自習室で、仲間と切磋琢磨しながら勉強している間、あなたは一人で孤独に机に向かい続ける必要があります。スマホの誘惑に負けても、誰も注意してくれません。模試の判定が悪くても、励ましてくれる先生はいません。
「誰かに管理されなくても、1日10時間以上勉強し続けられる」という圧倒的な自制心がなければ、難関大の合格ラインには到達できないでしょう。

大学受験の独学に失敗しない勉強法【3ステップで解説】

塾なしで大学受験に臨む高校生向けの勉強法を解説します。
手順①:「過去問」
過去問(赤本)を解き、志望校の合格最低点と現在の実力の差を正確に把握しましょう。
重要なのは、ただ問題を解くことではありません。「合格最低点まであと何点足りないか」「どの分野を重点的に対策すべきか」を徹底的に分析し、入試当日までの緻密な学習スケジュールに落とし込む必要があります。
塾なしで戦う場合、高度な戦略立案をすべて受験生一人で行うことになります。分析が甘ければ、見当違いな努力をして時間を浪費してしまうリスクがあるため、最も慎重さが求められる工程です。

「大学選びのヒント」は、以下の記事で解説しました。
手順②:「暗記」「基礎固め」
合格までのスケジュールを組めたら、最初にやるべきは「暗記」です。暗記と基礎固めだけでも偏差値60は余裕で突破できます。
- 文系:「英単語」「英熟語」「古文単語」
- 理系:「英単語」「英熟語」
暗記を完璧にすることで、英文法が苦手でも英文読解が読めるようになります。英文読解ができるようになれば、英語で高得点を狙えます。
暗記をする上で大切なことは「期限」を決めることです。◯日までに△△までを完璧に覚える、といった具体的なスケジュールを決めましょう。

暗記をマスターしたら、次は「基礎固め」に取り掛かりましょう。効率的な基礎固めの勉強法は、【大学受験】基礎固めの効率的なやり方は?でくわしく解説しました。
手順③:「参考書ルート」
基礎が固まったら、志望校のレベルに合わせた「参考書ルート」を進めていきます。
良質な参考書を使えば、授業を受けるのと同等の知識は得られます。しかし、最大の問題は「つまずいた時に助けてくれる人がいないこと」です。

結論:塾なしで大学受験は失敗のリスクが高い

大学受験で塾なしの割合は「約40%」だと紹介してきました。
第一志望校に合格した高校生のほとんどが塾に通っているのも紛れもない事実です。あなたが「偏差値55以上」の大学(国公立/GMARCH/関関同立など)を目指すなら、絶対に塾に通うべきです。
高校生の通塾事情
- 完全独学で大学受験する割合は40%ほど
- 偏差値が高い学校に通う子ほど通塾率も高い
- 高校生の通塾率は、年々増えている
- 通塾の頻度は「週2日」が最多である
- 国公立・難関私大を独学で合格できる割合はかなり低い
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「受験失敗」してから後悔しないためにも、今のうちに行動しましょう。










