- 同じ読み方の漢字とは?
- 同じ読み方の漢字を覚えるコツは?
- 同じ読み方の漢字のクイズはある?
こういった疑問に答えます。
「暑い」と「熱い」、「計る」と「量る」。同じ読み方なのに意味がちがう漢字は、小学生がテストでまちがえやすいポイントです。特に5年生の国語では「同じ読み方の漢字」という単元があり、使い分けの力がしっかり問われます。
そこで本記事では、小学3年生〜6年生で習う「同じ読み方の漢字」を学年別に一覧化しました。覚え方のコツとクイズまで紹介します。
一覧の使い分けは、文化庁が示す公式の基準にそろえました。それぞれの漢字を何年生で習うかも、文部科学省の資料で1字ずつ確認して併記しています。お子さんが「もう習った漢字か」がひと目で分かります。
お子さんの漢字の使い分けを、おうちでサポートしたい保護者の方は必見です。
同じ読み方の漢字一覧【小学3〜6年生】

「同じ読み方の漢字」には、大きく2つの種類があります。
- 同訓異字:訓読みが同じで意味がちがう漢字(例:暑い・熱い・厚い)
- 同音異義語:音読みが同じで意味がちがう熟語(例:回答・解答)
学年が上がるほど、使い分けがむずかしくなります。ここから、学年別に代表的なものを一覧でまとめます。表の下では、一つひとつの使い分けをくわしく解説します。
小学3年生
小学3年生では、日常でよく使う基本的な組み合わせを習います。
| 読み方 | 同じ読み方の漢字 |
|---|---|
| あう | 会う(2年)・合う(2年) |
| あける | 開ける(3年)・空ける(1年)・明ける(2年) |
| かえす | 返す(3年)・帰す(2年) |
| きる | 着る(3年)・切る(2年) |
| はやい | 早い(1年)・速い(3年) |
| のぼる | 上る(1年)・登る(3年) |
| まわり | 回り(2年)・周り(4年) |
「あう」=会う・合う
- 会う…人と顔をあわせる(例:友だちに会う)
- 合う…一致する・調和する(例:答えが合う)
「あける」=開ける・空ける・明ける
3つある「あける」は、3年生でまちがえやすい組み合わせでしょう。
- 開ける…とじているものをひらく(例:まどを開ける)
- 空ける…からにする(例:せきを空ける)
- 明ける…期間がおわる(例:夜が明ける)
「明ける」は、朝や新年など「明るくなる」場面で使うと覚えると迷いません。
「かえす」=返す・帰す
- 返す…もとの持ち主やもとの状態にもどす(例:本を返す)
- 帰す…人を家やもとの場所にもどす(例:子どもを帰す)
「きる」=着る・切る
- 着る…衣服を身につける(例:服を着る)
- 切る…刃物で断ち分ける・つながりを断つ(例:紙を切る)
「電源を切る」「縁を切る」のように、つながりを断つ場面でも「切る」を使います。
「はやい」=早い・速い
- 早い…時こくが前(例:朝早く起きる)
- 速い…スピードがはやい(例:走るのが速い)
「のぼる」=上る・登る
- 上る…上のほうへ向かう(例:坂を上る)
- 登る…自分の力で高い所へ移動する(例:山に登る)
見分け方は「自分の力でよじのぼるかどうか」です。エスカレーターなら「上る」、木なら「登る」になります。
「まわり」=回り・周り
- 回り…回転・身辺(例:時計回り、身の回り)
- 周り…そのもののまわり・周囲(例:池の周り)
「周り」の「周」は小学4年生で習う漢字です。3年生のうちは「回り」だけ書ければ十分です。
小学4年生
小学4年生になると、意味の近い漢字の使い分けが増えてきます。
| 読み方 | 同じ読み方の漢字 |
|---|---|
| なおす | 直す(2年)・治す(4年) |
| かわる | 変わる(4年)・代わる(3年) |
| なく | 鳴く(2年)・泣く(4年) |
| わかれる | 分かれる(2年)・別れる(4年) |
| さます | 覚ます(4年)・冷ます(4年) |
| はじめ | 初め(4年)・始め(3年) |
| きかい | 機械・器械・機会(同音異義語/すべて4年) |
| いがい | 以外(4年)・意外(3年)(同音異義語) |
「なおす」=直す・治す
- 直す…正しい状態にもどす・置きかえる(例:まちがいを直す)
- 治す…病気やけがから回復する(例:かぜを治す)
体に関することは「治す」、それ以外は「直す」と分ければ迷わないでしょう。
「かわる」=変わる・代わる
- 変わる…前とちがう状態になる(例:色が変わる)
- 代わる…ある役割を別のものにさせる(例:母に代わる)
「なく」=鳴く・泣く
- 鳴く…動物が声を出す(例:鳥が鳴く)
- 泣く…人がなみだを流す(例:赤ちゃんが泣く)
「わかれる」=分かれる・別れる
- 分かれる…一つのものが別々のいくつかになる(例:道が分かれる)
- 別れる…一緒にいた人とはなれる(例:友だちと別れる)
「意見が分かれる」のように、ちがいが生じる場面でも「分かれる」を使います。
「さます」=覚ます・冷ます
- 覚ます…ねむりや迷いから元にもどる(例:目を覚ます)
- 冷ます…温度を下げる(例:スープを冷ます)
「はじめ」=初め・始め
- 初め…ある期間の早い段階・最初(例:年の初め)
- 始め…ものごとをはじめること(例:仕事始め)
「きかい」=機械・器械・機会
- 機械…動力で動く大きな仕組み(例:機械を動かす)
- 器械…電気を使わない簡単な道具(例:器械運動)
- 機会…ちょうどよいとき・チャンス(例:学ぶ機会)
「いがい」=以外・意外
- 以外…そのほか(例:ぼく以外の人)
- 意外…思いがけないこと(例:意外な結果)
小学5年生
小学5年生は「同じ読み方の漢字」を本格的に学ぶ学年です。3つ以上の使い分けも登場します。
| 読み方 | 同じ読み方の漢字 |
|---|---|
| あつい | 暑い(3年)・熱い(4年)・厚い(5年) |
| はかる | 計る(2年)・量る(4年)・測る(5年) |
| つくる | 作る(2年)・造る(5年) |
| まざる | 交じる(2年)・混じる(5年) |
| こたえる | 答える(2年)・応える(5年) |
| かいとう | 回答(2年)・解答(5年)(同音異義語) |
| あらわす | 表す(3年)・現す(5年) |
| うつす | 写す(3年)・移す(5年) |
| たつ | 立つ(1年)・建つ(4年)・断つ(5年) |
| もと | 元(2年)・本(1年)・基(5年) |
| こうえん | 公園(2年)・公演(5年)(同音異義語) |
| かてい | 家庭(3年)・仮定(5年)・過程(5年)(同音異義語) |
| たいしょう | 対象(5年)・対照(4年)(同音異義語) |
「あつい」=暑い・熱い・厚い
5年生で一番よく出るのが、3つある「あつい」です。
- 暑い…不快になるくらい気温が高い(例:暑い日)
- 熱い…物の温度がとても高い・感情が高ぶる(例:熱いお茶)
- 厚い…あつみがある(例:厚い本)
反対語で考えると一発で分かります。暑い⇔寒い、熱い⇔冷たい、厚い⇔うすい、です。
「はかる」=計る・量る・測る
- 計る…時間や数を数える(例:時間を計る)
- 量る…重さ・容積を調べる(例:体重を量る)
- 測る…長さ・高さ・深さ・広さを調べる(例:きょりを測る)
「体温計」は計る、「重量」は量る、「測定」は測る。熟語を思い出すと選びやすくなります。
「つくる」=作る・造る
- 作る…こしらえる(例:料理を作る、計画を作る)
- 造る…大きなものをこしらえる・醸造する(例:船を造る、酒を造る)
「造る」を使うのは、船・建物・道路・酒など、規模の大きいものに限られます。迷ったときは「作る」を選んでおけば、ほとんど当たります。
「まざる」=交じる・混じる
- 交じる…元のものが見分けられる形で一緒になる(例:かなが交じる)
- 混じる…元のものが見分けられない形で一緒になる(例:水に絵の具が混じる)
見分ける基準は「元の素材が判別できるかどうか」です。白髪交じりは1本ずつ見分けられるので「交」、コーヒーに入れたミルクは見分けられないので「混」になります。
「こたえる」=答える・応える
- 答える…解答する・返事をする(例:問題に答える)
- 応える…応じる・報いる(例:期待に応える)
「かいとう」=回答・解答
- 回答…質問への返事(例:アンケートに回答する)
- 解答…問題の答え(例:テストの解答)
「こうえん」=公園・公演
- 公園…みんなが遊ぶ場所(例:公園で遊ぶ)
- 公演…ステージで演じること(例:劇の公演)
「あらわす」=表す・現す
- 表す…思いが外に出る・表現する(例:気持ちを表す)
- 現す…隠れていたものが見えるようになる(例:すがたを現す)
本を書いて世に出す「著す」も、同じ「あらわす」と読みます。「著」は小学6年生で習う漢字です。
「うつす」=写す・移す
- 写す…そのとおりに書く・画像として残す(例:ノートを写す)
- 移す…場所や物を動かす(例:席を移す)
画像を再生する「映す」も、同じ「うつす」と読みます。スクリーンに映す、鏡に姿が映るときは「映」です。「映」は小学6年生で習います。
「たつ」=立つ・建つ・断つ
- 立つ…直立する・成立する(例:まっすぐ立つ)
- 建つ…建物や国がつくられる(例:家が建つ)
- 断つ…とちゅうでやめる・きる(例:間食を断つ)
「もと」=元・本・基
- 元…ものごとが生じる始まり・以前(例:火の元)
- 本…ものごとの根幹となる部分(例:本を正す)
- 基…基礎・土台・根拠(例:資料を基にする)
「かてい」=家庭・仮定・過程
- 家庭…家族がくらす場(例:家庭学習)
- 仮定…もし〜ならと考えること(例:仮定の話)
- 過程…ものごとのとちゅう(例:成長の過程)
「たいしょう」=対象・対照
- 対象…めあて・相手(例:調査の対象)
- 対照…くらべ合わせること(例:二つを対照する)
左右がつり合う「対称」も、同じ「たいしょう」と読みます。算数の「線対称」で出てくる言葉です。
小学6年生
小学6年生は、意味が抽象的で大人でも迷う組み合わせを学びます。
| 読み方 | 同じ読み方の漢字 |
|---|---|
| おさめる | 収める(6年)・納める(6年)・修める(5年)・治める(4年) |
| つとめる | 努める(4年)・務める(5年)・勤める(6年) |
| つく | 付く(4年)・着く(3年)・就く(6年) |
| あたたかい | 温かい(3年)・暖かい(6年) |
| そなえる | 備える(5年)・供える(6年) |
| おりる | 下りる(1年)・降りる(6年) |
| ほしょう | 保証(5年)・保障(6年)(同音異義語) |
| しんろ | 進路(3年)・針路(6年)(同音異義語) |
| いどう | 移動(5年)・異動(6年)(同音異義語) |
「おさめる」=収める・納める・修める・治める
4つもある「おさめる」は、6年生で最大の難所です。何を「おさめる」のかで見分けます。
- 収める…中に入る・良い結果を得る(例:成功を収める)
- 納める…あるべきところに引き渡す(例:税金を納める)
- 修める…人格や行いを立派にする・身につける(例:学問を修める)
- 治める…問題のない状態にする・統治する(例:国を治める)
「つとめる」=努める・務める・勤める
- 努める…力を尽くす・努力する(例:解決に努める)
- 務める…役目や任務を果たす(例:司会を務める)
- 勤める…給料をもらって仕事をする(例:会社に勤める)
「努力の努」「役目の務」「勤務の勤」と、熟語で覚えるのがおすすめです。
「つく」=付く・着く・就く
- 付く…付着する・加わる(例:よごれが付く)
- 着く…達する・ある場所を占める(例:駅に着く)
- 就く…仕事や役職に身を置く(例:仕事に就く)
「あたたかい」=温かい・暖かい
- 温かい…物や心があたたかい(例:温かいスープ)
- 暖かい…気温があたたかい(例:暖かい部屋)
「そなえる」=備える・供える
- 備える…準備する・具備する(例:台風に備える)
- 供える…神仏などの前に物をささげる(例:花を供える)
「ほしょう」=保証・保障
- 保証…まちがいないと請け合う(例:品質を保証する)
- 保障…立場や権利を守る(例:安全を保障する)
「おりる」=下りる・降りる
- 下りる…上から下へ動く(例:階段を下りる)
- 降りる…乗り物から出る(例:電車を降りる)
「しんろ」=進路・針路
- 進路…進んでいく道(例:進路を決める)
- 針路…船や飛行機の向き(例:船の針路)
「いどう」=移動・異動
- 移動…場所をうつすこと(例:席を移動する)
- 異動…役目や地位が変わること(例:人事異動)
同じ読み方の漢字クイズ【全15問】

ここまで学んだ漢字を、クイズで力だめししてみましょう。問題を読んで、答えを考えてからタップしてください。
同訓異字の問題
「訓読みが同じ漢字」の使い分けの問題です。
「朝、はやくおきる」の「はやく」は?(早い・速い)▶タップ
「かぜをなおす」の「なおす」は?(直す・治す)▶タップ
「まどをあける」の「あける」は?(開ける・空ける・明ける)▶タップ
「とりがなく」の「なく」は?(鳴く・泣く)▶タップ
「道がふたつにわかれる」の「わかれる」は?(分かれる・別れる)▶タップ
「体重をはかる」の「はかる」は?(計る・量る・測る)▶タップ
「ぜいきんをおさめる」の「おさめる」は?(収める・納める・修める・治める)▶タップ
「かいしゃにつとめる」の「つとめる」は?(努める・務める・勤める)▶タップ
同音異義語の問題
「音読みが同じ熟語」の使い分けの問題です。
「学ぶきかいをえる」の「きかい」は?(機械・器械・機会)▶タップ
「テストのかいとう」の「かいとう」は?(回答・解答)▶タップ
「げきのこうえん」の「こうえん」は?(公園・公演)▶タップ
「ひんしつをほしょうする」の「ほしょう」は?(保証・保障)▶タップ
文章問題
1つの文の中で、同じ読み方の漢字を使い分ける問題です。
「(あつ)い日に、(あつ)いお茶をのみ、(あつ)い本を読む」▶タップ
「係を(つと)め、勉強に(つと)める」▶タップ
「時間を(はか)り、長さを(はか)り、重さを(はか)る」▶タップ
同じ読み方の漢字を覚えるコツとは?

同じ読み方の漢字は、「意味が近い」「文字の形が似ている」ために混乱しがちです。丸暗記ではなく、次の3つのコツを使うと、迷わず選べるようになります。
コツ①:熟語に変えて考える
その漢字を使った熟語を思い出すと、正しい漢字が分かります。
- 体温計 → 時間や数は「計る」
- 重量 → 重さは「量る」
- 測定 → 長さは「測る」
迷ったら、その漢字が入った熟語を思い出すのが一番の近道です。
コツ②:反対語で確かめる
反対の言葉を当てはめて、文が成り立つか確かめる方法です。
- 暑い ⇔ 寒い
- 熱い ⇔ 冷たい
- 厚い ⇔ うすい
「あつい本」なら反対は「うすい本」なので、「厚い」だと分かります。
この方法は、文化庁の資料でも使い分けを示す手がかりとして採用されています。「のぼる」なら、上る⇔下る、昇る⇔降りる・沈む、という具合です。
コツ③:何に使うかで覚える
その漢字が「何を対象にするか」をセットで覚える方法です。
- 努める=努力、務める=役目、勤める=勤務
- 収める=成果、納める=お金、修める=学問、治める=国
対象とセットで覚えると、4つある「おさめる」も自信をもって使い分けられます。
同じ読み方の漢字で迷ったら、「何に使う漢字か?」を考えよう

同じ読み方の漢字は、小学生がつまずきやすいポイントです。しかし、コツをつかめば確実に得点源になります。
大切なのは、丸暗記ではなく「熟語」「反対語」「何に使うか」で考えることです。この3つの視点があれば、初めて見る漢字でも正しく選べるようになります。
もう一つ覚えておきたいのが、同じ読み方の漢字は、組み合わせのうち1字でも未習なら、まだ書けなくて当たり前だという点です。「周り」は4年生、「厚い」は5年生、「暖かい」は6年生で習います。一覧の学年表記を見ながら、お子さんが今ねらうべき組み合わせにしぼって練習させてください。
まずは一覧表とクイズを何度も見返して、使い分けに慣れていきましょう。









