「三平方の定理」の公式一覧・計算機

中3数学の頻出単元「三平方の定理」を、公式・特別な直角三角形・無料計算機・4つの証明・入試例題まで完全解説。テスト対策・高校受験対策に必須の内容を図解と裏技でわかりやすくまとめました。

目次

「三平方の定理」の公式一覧

三平方の定理は直角三角形の3辺の長さの関係を表す定理です。基本公式に加えて、入試で頻出の角度の比整数の比(ピタゴラス数)を一緒に覚えるのが得点アップのコツです。

基本公式

直角三角形の3辺を a, b, c とし、c を斜辺(直角の向かいにある辺)とします。

基本公式の図解 b a c a² + b² = c²
定理三平方の定理
直角三角形においてa²+b²=c²

直角を挟む2辺(a, b)の2乗の和は、斜辺(c)の2乗に等しいという関係です。逆も成立し、a²+b²=c² が成り立つ三角形は直角三角形になります(三平方の定理の逆)。

使用例
直角を挟む辺が3cmと4cmの直角三角形:c²=3²+4²=9+16=25c=√25=5cm(斜辺)

斜辺がどれかを見極めるのが第一歩。直角の向かいにある最も長い辺が斜辺です。

公式三平方の定理の変形(求め方)
斜辺を求めるとき:c=√(a²+b²)
直角を挟む辺を求めるとき:a=√(c²−b²) または b=√(c²−a²)

基本公式 a²+b²=c² を移項して、求めたい辺だけを左辺に残した形。問題文で何が分かっているかに応じて使い分けます。

注意:直角を挟む辺を求めるとき、c² − b² が負の数になったら計算ミス(斜辺と他の辺を取り違えている)。c は必ず最も長い辺です。

角度の比

入試・テストで頻出の特別な角度を持つ直角三角形には、覚えるべき辺の比が2つあります。これさえ覚えれば、三平方の定理を毎回計算しなくても瞬時に解けます。

三平方の定理の変形(求め方)の図解 1 √3 2 60° 30° 30°-60°-90°(比 1:√3:2)
定理30°-60°-90° の比
辺の比:1:2:√3
30°の対辺:60°の対辺:斜辺=1:√3:2

正三角形を半分に切るとこの三角形ができます。30°の向かいが最短の辺(1)、60°の向かいが √3、斜辺が2と覚えるのがコツ。

使用例
斜辺が10cmなら:30°の対辺=10×(1/2)=5cm60°の対辺=10×(√3/2)=5√3cm

語呂:「イチ・ニ・ルート3」。30°→1、斜辺→2、60°→√3 の順に覚える。

30°-60°-90° の比の図解 1 1 √2 45° 45° 45°-45°-90°(比 1:1:√2)
定理45°-45°-90° の比
辺の比:1:1:√2
2辺は等しく、斜辺は√2倍

正方形を対角線で切るとこの三角形ができます。直角を挟む2辺が等しい直角二等辺三角形で、斜辺は √2 倍。

使用例
直角を挟む辺が5cmなら:斜辺=5×√2=5√2cm≒7.07cm

語呂:「イチ・イチ・ルート2」。正方形の対角線の長さを求めるときの定番。

整数の比(ピタゴラス数)

3辺すべてが整数になる直角三角形の組をピタゴラス数といいます。入試では下記5パターンが頻出なので暗記推奨です。

公式頻出ピタゴラス数 5パターン
3:4:5 (最頻出)
5:12:13
8:15:17
7:24:25
20:21:29

これらの整数比を見たら、計算しなくても直角三角形と判断できます。3:4:5 は最頻出で、その倍数(6:8:10、9:12:15、15:20:25 など)も同じくピタゴラス数。

使い方
問題文に「直角三角形で1辺が9cm、別の辺が12cm」とあれば、3:4:5の3倍を疑う→残りの辺は15cm

3:4:5 の倍数は中学入試・高校入試で7割以上の確率で登場します。見た瞬間に気付けるレベルまで反復練習してください。

立体・座標への応用

三平方の定理を立体図形・座標平面に応用した公式です。基本公式が直角三角形(平面)の関係なのに対し、これらは3次元・座標へ拡張した形。高校受験で頻出します。

公式立体図形への応用:直方体の対角線
直方体の対角線:√(a²+b²+c²)(a:たて、b:よこ、c:高さ)

三平方の定理を立体に2回適用したもの。①底面の対角線を求める、②それを1辺、高さを1辺とする直角三角形に再度三平方を使う、という二段構え。

Ex たて3、よこ4、高さ12の直方体の対角線:√(3²+4²+12²)=√(9+16+144)=√169=13
公式座標平面への応用:2点間の距離
A(x₁,y₁),B(x₂,y₂)の距離:AB=√((x₂−x₁)²+(y₂−y₁)²)

座標平面上の2点を結ぶ線分を斜辺とする直角三角形を作り、三平方の定理を適用したもの。横の差(x₂−x₁)を a、縦の差(y₂−y₁)を b と見立てて計算します。

Ex A(1,2),B(4,6)の距離:AB=√((4−1)²+(6−2)²)=√(9+16)=√25=5

関数のグラフ問題では2点間の距離が頻出。座標が整数ならピタゴラス数(3:4:5、5:12:13など)になることも多いので、計算前に「これピタゴラス数では?」と疑うのが時短のコツ。

「三平方の定理」の計算機

三平方の定理の無料の計算サイト・計算機です。直角三角形の3辺のうち、わかっている2辺を入力するだけで、残りの1辺を自動で計算します。計算過程も表示されるので、宿題やテスト勉強の確認に使えます。

直角三角形の辺を自動計算
座標平面への応用:2点間の距離の図解 b a c c は斜辺(直角の向かい)
a² + b² = c²
2辺を入力して「計算する」ボタンを押すと、ここに計算結果と計算過程が表示されます
サンプル:特別な直角三角形をワンクリックで試す
計算機の使い方の補足:求めたい辺の入力欄を空欄のまま、他の2辺を入力してください。「計算する」を押すと、空欄の辺の値が自動計算され、計算過程も表示されます。プリセットボタンを使うと、よく出る組み合わせをすぐに試せます。

「三平方の定理」の例題3問

基本パターンの解き方・求め方を3問のステップ解説で学びます。「公式の代入→2乗の計算→√を外す」の流れを身につけてください。

例題1直角三角形の斜辺を求めよ:直角を挟む辺が 3cm と 4cm のとき、斜辺の長さは?
例題1:直角三角形の斜辺を求めよ:直角を挟む辺が 3cm と 4cm のとき、斜辺の長さ 4cm 3cm c=?
解説
三平方の定理 a² + b² = c² に代入
3² + 4² = c²
9 + 16 = 25 = c²
c = √25 = 5
答え:斜辺 = 5cm(3:4:5 のピタゴラス数)
例題21辺が 5cm の正方形がある。対角線の長さを求めよ。
例題2:1辺が 5cm の正方形がある。対角線の長さを求めよ。 5cm 5cm d=? 1辺 5cm の正方形の対角線
解説
正方形を対角線で分けると、45°-45°-90° の直角三角形になる
辺の比は 1 : 1 : √2 なので、対角線 = 5 × √2
別解:5² + 5² = d² → d² = 50 → d = √50 = 5√2
答え:対角線 = 5√2 cm(≒ 7.07cm)
例題3たて 3cm、よこ 4cm、高さ 12cm の直方体がある。最も長い対角線の長さを求めよ。
例題3:たて 3cm、よこ 4cm、高さ 12cm の直方体がある。最も長い対角線の長さ 4cm(よこ) 3cm(たて) 12cm d=?
解説
直方体の対角線の公式 d = √(a² + b² + c²) を使う
d = √(3² + 4² + 12²)
= √(9 + 16 + 144) = √169
= 13
答え:対角線 = 13cm
※ 5:12:13 のピタゴラス数を覚えていれば、底面の対角線(5)と高さ(12)から瞬時に13と気付けます。

「三平方の定理」の練習問題5問

例題で学んだ解き方を使って、5問の練習問題を解きます。応用パターン・入試レベルまで含むので、これを完璧にすれば三平方の定理は得点源になります。

練習問題1直角三角形の斜辺が 10cm、1辺が 6cm のとき、もう1辺の長さは?
練習問題1:直角三角形の斜辺が 10cm、1辺が 6cm のとき、もう1辺の長さは? a=? 6cm 10cm
解説
a² + 6² = 10² の形に整理
a² = 10² − 6² = 100 − 36 = 64
a = √64 = 8
答え:もう1辺 = 8cm(6:8:10 = 3:4:5 の2倍)
※ 6:8:10 は 3:4:5 の2倍と気付けば計算なしで解けます。
練習問題2直角を挟む辺が 6cm と 8cm のとき、斜辺の長さは?(ピタゴラス数の倍数)
練習問題2:直角を挟む辺が 6cm と 8cm のとき、斜辺の長さは?(ピタゴラス数の倍数) 8cm 6cm c=?
解説(裏技つき)
裏技:6:8 = 3:4 の2倍に気付く → 斜辺は 5の2倍 = 10cm
確認計算:c² = 6² + 8² = 36 + 64 = 100
結論:c = √100 = 10
答え:斜辺 = 10cm(3:4:5 ピタゴラス数の2倍)
練習問題3底辺 8cm、等しい2辺がそれぞれ 5cm の二等辺三角形がある。高さを求めよ。
練習問題3:底辺 8cm、等しい2辺がそれぞれ 5cm の二等辺三角形がある。高さを求めよ。 4cm 4cm 5cm 5cm h=?
解説(補助線が決め手)
頂点から底辺へ垂線(高さh)を下ろすと、二等辺三角形が直角三角形2つに分かれる
分かれた直角三角形は、底辺=4cm(8の半分)、斜辺=5cm、高さ=h
4² + h² = 5² → 16 + h² = 25 → h² = 9
h > 0 なので h = √9 = 3
答え:高さ = 3cm(3:4:5のピタゴラス数を使った)
※ 二等辺三角形の高さ問題は、頂点から底辺に垂線を下ろして「直角三角形を作る」のが定石。
練習問題4応用:直角三角形の直角を挟む2辺が 4 と (8−x)、斜辺が x のとき、x を求めよ。
練習問題4:応用:直角三角形の直角を挟む2辺が 4 と (8−x)、斜辺が x のとき、x 8 − x 4 x
解説(高校入試レベル・展開公式を使う)
三平方の定理に代入:4² + (8−x)² = x²
(8−x)² を展開(乗法公式):(8−x)² = 64 − 16x + x²
式に戻す:16 + 64 − 16x + x² = x²
両辺から x² を消す:80 − 16x = 0
16x = 80 → x = 5
長さは正の数なので(x > 0)、x = 5 で確定
答え:x = 5(このとき 直角を挟む辺は 4 と 3、斜辺は 5 → 3:4:5)
※ 「(8−x)型」は高校入試で頻出。乗法公式 (a−b)² = a²−2ab+b² と組み合わせて使います。
練習問題53辺が 5cm、12cm、13cm の三角形は直角三角形か?(三平方の定理の逆)
練習問題5:3辺が 5cm、12cm、13cm の三角形は直角三角形か?(三平方の定理の逆) 12cm 5cm 13cm 直角三角形か?(直角マークなし)
解説(三平方の定理の逆)
3辺のうち最も長い辺(13cm)を c と置く
a² + b² = c² が成り立つか確認
5² + 12² = 25 + 144 = 169
13² = 169 → 両辺等しい
答え:直角三角形である(5:12:13 のピタゴラス数)
※ 「三平方の定理の逆」は『a²+b²=c² が成り立つ三角形は直角三角形』という性質。3辺の長さだけで直角三角形かどうか判定できる。

「三平方の定理」の証明一覧

三平方の定理には400以上の証明方法があるといわれます。ここでは中学生でも理解できる代表的な4つの証明を、図解つきで解説します。最後のアインシュタインの証明は、最も美しい証明として有名です。

1中学生向けの基本証明(正方形を使う方法)

1中学生向けの基本証明(正方形を使う方法)の図解 b a 大正方形 (a+b)² = 4三角形 + 内側のc²
1辺が a+b の正方形を考える。その中に、直角三角形を4つと、斜辺 c を1辺とする正方形を配置する。
大きな正方形の面積は (a+b)²
内部の合計面積は 4 × (1/2 × a × b) + c² = 2ab + c²
両者は等しいので (a+b)² = 2ab + c²
左辺を展開すると a² + 2ab + b² = 2ab + c²
両辺から 2ab を引いて a² + b² = c² が示された。

2相似比を使う証明(中学範囲で最もシンプル)

2相似比を使う証明(中学範囲で最もシンプル)の図解 b a c h(垂線) 直角の頂点から斜辺へ垂線を下ろす
直角三角形ABCの直角の頂点から斜辺へ垂線(高さ h)を下ろす。
すると、3つの相似な直角三角形ができる(元の三角形と、垂線で分けられた2つの三角形)。
相似比から a² = c × pb² = c × q (p, q は斜辺を分けた長さ)が成り立つ。
両者を足すと a² + b² = c × (p + q) = c × c = c²
よって a² + b² = c² が示された。

3別の配置(a²+b²の置き換え)で示す証明

3別の配置(a²+b²の置き換え)で示す証明の図解 a²+b² + 4三角形 = 大正方形(証明1と同じ大きさ) → よって a²+b² = c²
証明1と同じ大きさの正方形(1辺 a+b)を、別の方法で分割する。今度は1辺 a の正方形(青)1辺 b の正方形(緑)4つの直角三角形(橙)に分ける。
大きな正方形の面積は(a+b)²(証明1と同じ)
別の表現:a² + b² + 4×(1/2)ab = a² + b² + 2ab
証明1から (a+b)² = c² + 2ab だった
a² + b² + 2ab = c² + 2ab
両辺から 2ab を引いて a² + b² = c²。同じ正方形を「c²側」と「a²+b²側」の2通りで表せる、視覚的に最もわかりやすい証明です。

4アインシュタインの美しい証明(最も短い証明)

4アインシュタインの美しい証明(最も短い証明)の図解 b a c ▲ 上の小三角形 ▼ 下の小三角形 2つの小三角形は元の三角形と相似(面積比=相似比の2乗)
直角三角形を、斜辺の垂線で2つの相似な小三角形に分ける。
相似な図形の面積比は相似比の2乗。元の三角形と各小三角形の相似比は a:c、b:c なので面積比は a²:c²、b²:c²。
元の三角形の面積を S とすると、2つの小三角形の面積は S × (a²/c²)S × (b²/c²)
2つの小三角形の合計 = 元の三角形なので S(a²/c²) + S(b²/c²) = S
両辺を S で割って整理すると a² + b² = c²。たった4ステップ・補助線1本で完結する、最も短く美しい証明です。
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三平方の定理は中3数学の山場。「公式は覚えたのに応用が解けない」と悩むなら、勉強が苦手な子向けの個別指導塾で1対1の演習を受けるのが最短ルート。勉強の仕方から教えてくれる塾なら、苦手単元も着実に克服できます。

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よくある質問

三平方の定理についてよく寄せられる6つの疑問に丁寧にお答えします。基礎の確認・覚え方・受験対策まで、知っておくべきことを網羅しました。

三平方の定理とは?

三平方の定理は、直角三角形の3辺の長さの関係を表す数学の定理です。直角を挟む2辺を a, b、斜辺(直角の向かいにある最も長い辺)を c とすると、必ず a² + b² = c² が成立します。

この定理は古代ギリシャの数学者ピタゴラスが発見したとされ、海外では「ピタゴラスの定理(Pythagorean theorem)」と呼ばれます。日本の中学数学では「三平方の定理」という名称で習いますが、両者は完全に同じ定理を指しています。

言葉で言うと:「直角三角形では、直角を挟む2辺の2乗の和は、斜辺の2乗に等しい」となります。

三平方の定理の裏技は?

三平方の定理を素早く解くための4つの裏技。これらを使いこなせば、計算スピードが2〜3倍になります。

補助線の引き方は単元ごとに定石があります:

三平方の定理でよくある計算ミスは?

中学生がテストで三平方の定理を使うときによく間違える5パターンと、その対策をまとめました。

対策:問題を解き始める前に「どれが斜辺か」を必ず印で囲む。式を書く前に「a²+b²=c²の形」を意識する。

高校受験でよく出る三平方の定理の問題パターンは?

三平方の定理は高校受験の数学で毎年必ず出題される最頻出単元です。出題されやすい5パターンを押さえれば対応できます。

対策:パターンごとに「直角三角形をどこに見つけるか」を意識して練習問題を解くと、本番でも素早く解法が浮かびます。

三平方の定理の覚え方は?

三平方の定理を確実に暗記するための3つの覚え方を紹介します。

特別な直角三角形の比の語呂:

単純な暗記より「意味を理解して覚える」方が長持ちします。a²+b²=c² の図を何度か自分で書き、「直角の向かいが斜辺」「直角を挟む2辺の2乗の和」を口で唱えながら定着させてください。

三平方の定理はいつ習う?何年生?

三平方の定理は中学3年生の数学で習います。教科書では後半(10〜12月頃)の図形分野で扱われ、相似や円の性質と並んで中3最大の山場となる単元です。

高校では「三角比」「ベクトル」「微分積分」など、より高度な単元の前提となるため、中3で完璧に理解しておく必要があります

学校によって扱う時期は前後しますが、遅くとも中3の冬休み前(12月)までには習い終えるのが一般的です。高校受験の数学では中3の3月までの全範囲が出題対象となるため、夏休みごろから先取り学習を始めても損はありません。