「円周角の定理」の公式一覧・問題15問

中3数学の頻出単元「円周角の定理」を、公式一覧・例題3問・練習問題15問(証明問題10問+応用5問)・4種の証明まで完全攻略。テスト対策・高校受験対策に必須の内容を図解で分かりやすくまとめました。

目次

「円周角の定理」の公式一覧

円周角の定理は「同じ弧に対する円周角は中心角の半分」という関係を表す中3数学の定理です。基本公式に加えて、入試で頻出の直径と90°の関係内接四角形の対角の和を一緒に覚えるのが得点アップのコツです。

基本公式(円周角と中心角の関係)

円周上の3点 A, B, P で、弧AB(点Pを含まない側)に対して中心角AOBと円周角APBを考えます。

基本公式(円周角と中心角の関係)の図解 O A B P 中心角 円周角
定理円周角の定理
同じ弧に対する円周角=中心角×1/2
同じ弧に対する中心角=円周角×2

同じ弧に対する円周角はすべて等しいのも円周角の定理の重要な性質。点Pが弧の上のどこにあっても、円周角APBの大きさは変わりません。

使用例
中心角AOB=80°のとき、円周角APBは:円周角=80°÷2=40°

覚え方:「真ん中はみんなの2倍」。中心角は円周角の2倍、円周角は中心角の半分です。

円周角の定理の逆

円周角の定理は「逆」も成立します。3点A, B, Pがあって、ある条件を満たせば、4点目の点を加えた円周上にあると判定できます。

円周角の定理の図解 A B P Q θ θ
定理円周角の定理の逆
2点P,Qが直線ABについて同じ側にあり、∠APB=∠AQBならば、4点A,B,P,Qは同一円周上にある

4点が同一円周上(共円)にあることを証明する強力な道具。高校入試の証明問題で頻出します。

注意:P, Q が直線ABの同じ側にあることが条件。反対側の場合は内接四角形の対角の和が180°になります(後述)。

直径と90°(直径に対する円周角)

円周角の定理の最も重要な特殊ケース。直径に対する円周角は必ず90°になります。

円周角の定理の逆の図解 A B P O 90° 直径ABに対する円周角APBは90°
定理直径に対する円周角
直径ABに対する円周角は必ず90°

直径の中心角は180°(一直線)なので、円周角はその半分の90°になる、というシンプルな関係。

使い方
問題に「直径」が出てきたら、その対の円周角は即90°と判定。→直角三角形が見つかる→三平方の定理へ展開

裏技:「直径」を見たら90°と即答。三平方の定理との融合問題で必ず使う。

関連公式(内接四角形・弧の比・接線)

円周角の定理から派生する3つの重要な関連定理。応用問題で必須です。

定理関連公式 一覧
内接四角形の対角の和:∠A+∠C=180°(∠B+∠Dも180°)
弧の比=円周角の比:弧AB:弧BC=∠APB:∠BPC
接弦定理:接線と弦のなす角=弦に対する円周角

内接四角形:円に内接する四角形では、向かい合う2つの内角の和が必ず180°になります。

弧の比:同じ円で、2つの弧の長さの比は、それぞれの弧に対する円周角の比に等しい。「弧2倍なら円周角2倍」と覚えます。

接弦定理:円の接線とその接点を通る弦のなす角は、その弦に対する円周角に等しい(高校範囲ですが、入試で使う場合あり)。

頻出度:内接四角形は最頻出 → 弧の比 → 接弦定理の順。内接四角形の対角の和180°は必ず暗記してください。

「円周角の定理」の例題3問

基本パターンの解き方を3問のステップ解説で学びます。「中心角と円周角の関係」「直径と90°」「同じ弧の円周角は等しい」の3つの基本を押さえます。

例題1中心角AOB = 60°のとき、円周角APBの大きさを求めよ。
関連公式 一覧の図解 A B P O 60° ?
解説
円周角の定理を適用 → 円周角 = 中心角 ÷ 2
60° ÷ 2 = 30°
答え:円周角APB = 30°
例題2ABが円Oの直径で、点Pが円周上にある。∠PAB = 35°のとき、∠APBの大きさを求めよ。
例題2:ABが円Oの直径で、点Pが円周上にある。∠PAB = 35°のとき、∠APBの大 A B P O 35° ?
解説(直径=90°の裏技)
ABは直径 → 直径に対する円周角は必ず90°
∠APB = 90°(即答)
(参考)三角形の内角の和は180°なので、∠ABP = 180° − 90° − 35° = 55°
答え:∠APB = 90°
※ 「直径を見たら90°」の裏技で、計算なしで即答できます。
例題34点A, B, C, Dが円周上にある。∠ACB = 40°のとき、∠ADBの大きさを求めよ。
例題3:4点A, B, C, Dが円周上にある。∠ACB = 40°のとき、∠ADBの大 A B C D 40° ?
解説(同じ弧の円周角は等しい)
∠ACBと∠ADBはどちらも弧ABに対する円周角(C, D は弧ABの同じ側)
同じ弧に対する円周角は等しい → ∠ADB = ∠ACB
∠ADB = 40°
答え:∠ADB = 40°
※ 同じ弧に対する円周角は、点の位置に関わらずすべて等しい(円周角の定理の基本性質)。

「円周角の定理」の練習問題15問

例題で学んだ解き方を使って、15問の練習問題を解きます。基本〜標準の証明問題10問と高校入試レベルの応用問題5問で、円周角の定理を完璧にマスターします。

証明問題10問(基本〜標準)

公式の直接適用から多段階の思考まで、中3レベルの基本〜標準問題10問です。

練習問題1中心角AOB = 100°のとき、円周角APBを求めよ。
解説
円周角 = 中心角 ÷ 2 = 100° ÷ 2 = 50°
答え:50°
練習問題2円周角∠APB = 25°のとき、中心角∠AOBを求めよ。
解説
中心角 = 円周角 × 2 = 25° × 2 = 50°
答え:50°
練習問題34点A, B, C, Dが円周上にあり、∠ACB = 32°のとき、∠ADBを求めよ。
解説(同じ弧の円周角は等しい)
∠ACB と ∠ADB はどちらも弧ABに対する円周角 → 等しい
答え:32°
練習問題4ABが直径、∠BAP = 28°のとき、∠APBと∠ABPを求めよ。
解説(直径=90°)
∠APB = 90°(直径に対する円周角)
∠ABP = 180° − 90° − 28° = 62°(三角形の内角の和)
答え:∠APB = 90°、∠ABP = 62°
練習問題5弧ABと弧BCの長さの比が 2:3 のとき、円周角∠APBと∠BPCの比を求めよ。
解説(弧の比=円周角の比)
弧の比 = 円周角の比 → 2:3
答え:2:3
練習問題6円に内接する四角形ABCDで、∠A = 70°のとき、∠Cを求めよ。
解説(内接四角形の対角の和は180°)
∠A + ∠C = 180° → ∠C = 180° − 70° = 110°
答え:110°
練習問題74点A, B, P, Qが、Aを共通とする2つの円弧上にある。∠APB = 40°、∠AQB = 40°、PとQが直線ABの同じ側にあるとき、4点A, B, P, Qは同一円周上にあると言えるか。
解説(円周角の定理の逆)
P, Q が直線ABの同じ側で、∠APB = ∠AQB が成り立つ
→ 円周角の定理の逆が成立 → 4点は同一円周上
答え:同一円周上にある
練習問題8円Oで、∠AOB = 120°、点Pは弧ABの劣弧側にある。円周角∠APBを求めよ。
解説(劣弧側の円周角の特殊ケース)
弧ABには「劣弧(中心角120°側の短い弧)」と「優弧(中心角240°側の長い弧)」がある
Pが劣弧上にあるとき、∠APBは反対側の優弧に対応する円周角になる
優弧の中心角 = 360° − 120° = 240° → 円周角 = 240° ÷ 2 = 120°
答え:∠APB = 120°
※ Pが優弧側にあれば∠APB = 60°、劣弧側にあれば∠APB = 120°(合わせて180°=内接四角形の対角の関係)。
練習問題9円周上の4点A, B, C, Dで、∠BAC = 30°、∠ABD = 50°のとき、∠APDを求めよ(PはAC, BDの交点)。
解説(三角形の外角=同一弧の円周角の関係)
三角形ABPで、∠APD(外角)= ∠BAC + ∠ABD = 30° + 50° = 80°
答え:80°
練習問題10円周上の3点A, B, Cで、∠ACB = 35°。点PをBから引いた直径の他端とするとき、∠ABPを求めよ。
解説(直径と円周角の融合)
BPは直径 → ∠BAP = 90°(直径に対する円周角)
∠ACB = 35° → 弧ABに対する円周角 → ∠APB = 35°(同じ弧)
三角形ABPの内角:∠ABP = 180° − 90° − 35° = 55°
答え:55°

高校入試レベルの応用問題5問

高校受験で頻出の5つの応用パターン。三平方の定理・相似・内接四角形との融合問題です。

応用問題1円Oで、ABは直径(半径5cm)。点Pは円周上にあり、AP = 6cmのとき、BPの長さを求めよ。
解説(直径+三平方の定理)
直径AB = 10cm(半径×2)
直径に対する円周角 → ∠APB = 90° → 三角形APBは直角三角形
三平方の定理:AP² + BP² = AB²
6² + BP² = 10² → BP² = 100 − 36 = 64 → BP = 8
答え:BP = 8cm(6:8:10 = 3:4:5 のピタゴラス数)
三平方の定理との融合は高校入試で最頻出。直径を見たら90°→直角三角形→三平方の流れを瞬時に。
応用問題2円に内接する四角形ABCDで、∠B = 65°、∠ABD = 25°のとき、∠ACDを求めよ。
解説(内接四角形+同一弧の円周角)
内接四角形の対角の和:∠B + ∠D = 180° → ∠D = 115°
∠ABD と ∠ACD はどちらも弧ADに対する円周角 → 等しい
∠ACD = ∠ABD = 25°
答え:∠ACD = 25°
応用問題3円Oで、ABが直径、点P, Qは円周上にあり、∠AOP = 80°、∠POQ = 40°のとき、∠PAQを求めよ。
解説(中心角の和→円周角)
弧PQに対する中心角 = 40°
弧PQに対する円周角∠PAQ = 40° ÷ 2 = 20°
答え:∠PAQ = 20°
応用問題4円Oで、ABは直径、点Pは円周上にあり、AP = 3cm、∠PAB = 30°のとき、円Oの半径を求めよ。
解説(直径+特別な直角三角形)
∠APB = 90°(直径に対する円周角) → △APBは直角三角形
∠PAB = 30°、∠APB = 90° → 残りの∠ABP = 60° → 30°-60°-90°の直角三角形
辺の比は 短辺(30°の対辺):長辺(60°の対辺):斜辺 = 1 : √3 : 2
APは∠ABP(60°)の対辺なので長辺(比√3)に対応 → AP = √3 × k = 3 → k = √3
直径AB = 2k = 2√3 → 半径 = √3
答え:半径 = √3 cm
応用問題5円周上の4点A, B, C, Dで、AC = BD(弦の長さ)。このとき、弧AC = 弧BD であることを証明せよ。
解説(弦と弧の関係)
円Oで、二等辺三角形OACとOBDを考える(OA = OB = OC = OD = 半径)
AC = BD(仮定)→ 三角形OAC ≡ 三角形OBD(3辺相等)
合同より ∠AOC = ∠BOD → 中心角が等しい
中心角が等しい → 対応する弧の長さも等しい → 弧AC = 弧BD(証明終わり)
答え:弦が等しい → 中心角が等しい → 弧の長さも等しい

「円周角の定理」の証明一覧

円周角の定理は、点Pの位置によって3つの場合分けで証明します。さらに「定理の逆」の証明もあわせて学びます。中学生でも理解できる図解つきの完全解説です。

1中学生向けの基本証明(場合分け①:中心が角の内側)

応用問題5:円周上の4点A, B, C, Dで、AC = BD(弦の長さ)。このとき、弧AC A B P O Q 補助線
直線POを引いて延長し、円との交点をQとする(補助線)
三角形OAPは二等辺三角形(OA = OP = 半径)→ ∠OAP = ∠OPA
三角形の外角の定理から ∠AOQ = ∠OAP + ∠OPA = 2∠OPA
同様に ∠BOQ = 2∠OPB
∠AOB = ∠AOQ + ∠BOQ = 2∠OPA + 2∠OPB = 2(∠OPA + ∠OPB) = 2∠APB
よって ∠APB = ∠AOB ÷ 2(円周角は中心角の半分)

2場合分け②:中心が辺の上にある場合

中心Oが辺PB(またはPA)上にある場合 → 直径を通る
三角形OAPは二等辺三角形(OA = OP = 半径)→ ∠OAP = ∠OPA
三角形の外角の定理から ∠AOB = ∠OAP + ∠OPA = 2∠OPA = 2∠APB
よって ∠APB = ∠AOB ÷ 2。場合分け①の特殊ケースとして同様に証明可能。

3場合分け③:中心が角の外側にある場合

直線POを引いて延長し、円との交点をQとする
場合①と同様に ∠AOQ = 2∠OPA、∠BOQ = 2∠OPB
今度は中心Oが ∠APB の外側にあるので、∠AOB = ∠AOQ − ∠BOQ = 2∠OPA − 2∠OPB = 2(∠OPA − ∠OPB)
∠APB = ∠OPA − ∠OPB なので、∠AOB = 2∠APB
よって ∠APB = ∠AOB ÷ 2(差で考えるパターンでも同じ結論)

4円周角の定理の逆の証明

3点A, B, Pを通る円Oを描く(任意の3点で1つの円が決まる)
∠APB = ∠AQB(仮定)として、Qが円周上にあるか判定する
もし Q が円の内側にあれば ∠AQB > ∠APB(円周角の定理の発展)
もし Q が円の外側にあれば ∠AQB < ∠APB
仮定で ∠APB = ∠AQB なので、Qは円周上にあるしかない
よって 4点A, B, P, Q は同一円周上にある(証明終わり)
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よくある質問

円周角の定理についてよく寄せられる6つの疑問に丁寧にお答えします。基礎の確認・覚え方・受験対策まで網羅しました。

円周角の定理とは?

円周角の定理は、「同じ弧に対する円周角は中心角の半分(円周角=中心角÷2)」という関係を表す中3数学の定理です。同じ弧に対する円周角はすべて等しく、特に直径に対する円周角は必ず90°になります。

言葉で言うと:「真ん中(中心角)はみんな(円周角)の2倍」。覚え方の語呂はシンプルで、中3生でも理解しやすい定理です。

円周角の定理の裏技は?

円周角の定理を使う問題で4つの裏技を覚えると解くスピードが2〜3倍になります。

応用問題では、補助線を引いて直径や中心角を作るのが定石。直径を引けば自動的に直角三角形が現れるので、三平方の定理に展開できます。

円周角の定理でよくある計算ミスは?

中学生がテストで円周角の定理を使うときによく間違える5パターンと対策をまとめました。

対策:問題を解く前に「点が円周上にあるか」「弧はどの弧か」を必ず確認する習慣をつけてください。

高校受験でよく出る円周角の定理の問題パターンは?

円周角の定理は高校受験の数学で毎年必ず出題される頻出単元です。出題されやすい5パターンを押さえれば対応できます。

対策:「直径」を見たらまず90°、「内接四角形」を見たらまず対角の和180°と即座に反応するレベルまで反復演習してください。

円周角の定理の覚え方は?

円周角の定理を確実に暗記するための3つの覚え方を紹介します。

関連定理の覚え方:

単純な暗記より「意味を理解して覚える」方が長持ちします。図を何度か自分で書き、中心角と円周角の半分の関係を視覚的に定着させてください。

円周角の定理はいつ習う?何年生?

円周角の定理は中学3年生の数学で習います。教科書では後半(10〜12月頃)の図形分野で扱われ、相似や三平方の定理と並ぶ中3図形の三大単元の一つです。

高校受験の数学では毎年必ず出題される最頻出単元のため、夏休みからの先取り学習も推奨されます。中3で完璧に理解しておけば、高校の三角比・幾何への移行もスムーズです。

関連する単元:

円周角の定理は誰が発見した?(タレスの定理との関係)

円周角の定理の起源は、紀元前6世紀の古代ギリシャの数学者タレスが発見した「半円に対する円周角は90°になる」という定理(タレスの定理)です。タレスの定理は円周角の定理の特殊ケース(中心角が180°の場合)にあたります。

その後、ユークリッドが『原論』第3巻で円周角と中心角の一般的な関係(円周角=中心角÷2)を体系化し、現在の「円周角の定理」として完成しました。

テストでは「直径を見たら90°」という形でタレスの定理がよく出題されます。直径=最強の補助線と覚えておくと、複雑な角度問題でも瞬時に直角三角形を発見できます。