高校生のアルバイトに関する保護者の実態調査2025

こども教材プラス総研は、高校時代にお子様がアルバイトを経験した保護者103名を対象に、「高校生のアルバイトと学力の関係性」に関する実態調査を実施しました。

本調査では、高校生のアルバイトが学業や大学受験にどのような影響を与えたのか、そしてその経験を振り返って保護者がどのように感じているのかを明らかにすることを目的としています。

本調査のサマリー
  • 保護者の74.8%が「(アルバイトよりも)勉強に注力すべきだった」と回答しており、後悔を感じている実態が明らかに
  • アルバイトが学力に与えた影響について、「悪影響だった」という回答(38.8%)が「好影響だった」(8.7%)を4倍以上も上回る結果に
  • 保護者の体験談からは「勉強時間の減少」と「心身の疲労」を懸念する声が多数
  • アルバイトの労働時間は「週5〜10時間未満」が44.7%で最多

お子様の高校時代を振り返って、以下のどれにもっと注力すべきだったと思いますか?

「勉強(塾・予備校)」(39.8%)と「勉強(自宅学習)」(35.0%)を合わせ、74.8%もの保護者が「勉強」を選択しました。「アルバイト」を選んだのはわずか1%に留まり、社会経験よりも学業を優先すべきだったと感じている保護者が大多数であることが示されました。

  • アルバイト:1名(1.0%)
  • 勉強(塾・予備校):41名(39.8%)
  • 勉強(自宅学習):36名(35.0%)
  • 習い事:4名(3.9%)
  • 部活:14名(13.6%)
  • その他:7名(6.8%)
高校時代に最も注力すべきだったものは?

アルバイトは、お子様の「学力」や「大学受験の合否」にどのような影響を与えましたか?

「学力(定期テスト・偏差値)」への影響では、「悪影響だった」(「やや」36名、「非常に」4名)が合計で38.8%にのぼったのに対し、「好影響だった」(「非常に」2名、「やや」7名)はわずか8.7%でした。

「大学受験の合否」への影響についても同様に、「悪影響だった」が合計で24.3%、「好影響だった」が11.7%となり、アルバイトが学業に対してプラスに働くケースは限定的であることが伺えます。

学力(定期テスト・偏差値)への影響

  • 非常に好影響だった:2名(1.9%)
  • やや好影響だった:7名(6.8%)
  • 特に影響はなかった:52名(50.5%)
  • やや悪影響だった:36名(35.0%)
  • 非常に悪影響だった:4名(3.9%)
  • わからない:2名(1.9%)

大学受験の合否への影響

  • 非常に好影響だった:4名(3.9%)
  • やや好影響だった:8名(7.8%)
  • 特に影響はなかった:58名(56.3%)
  • やや悪影響だった:22名(21.4%)
  • 非常に悪影響だった:3名(2.9%)
  • わからない:8名(7.8%)
アルバイトによる学業への影響は?

高校生がアルバイトをやるデメリットを、お子様の体験談をもとに教えてください。

アンケートの自由記述回答からは、上記のデータを裏付ける、保護者の皆様のリアルな声が多数寄せられました。特に、「勉強時間の減少」と「心身の疲労」を懸念する声が目立ちました。

大学受験を控えているときでも自分で使えるお金が欲しいと言ってアルバイトを始めましたが、正直デメリットの方が大きかったと感じています。シフト制なので急に時間を変更されることがあり、帰宅が夜遅くになることも度々あったので勉強時間が削られてしまいました。特に模試前や定期テストの直前でも代わりを見つけるのが難しく、断れない性格から仕方なく働いていたこともありました。

高校生のとき、飲食店でアルバイトをしていた息子は、帰宅後すぐに疲れて寝てしまい、勉強時間が激減しました。テスト前もシフトが入っていて集中できず、成績が下がってしまったことを悔やんでいました。本人も「働く経験は貴重だったけど、受験期は控えるべきだった」と振り返っています。

娘が高1〜高3の夏休み前までカフェでアルバイトをしていました。ただアルバイトが楽しくて自宅での学習が疎かになってしまうことが多く、大学受験を控えているのに学習に打ち込めないため志望校のレベルを下げざるを得なくなってしまったことが後悔している点です。

これらの「生の声」は、アルバイトがもたらす社会経験というメリット以上に、大学受験という大きな目標に対するリスクを、多くの保護者が重く受け止めていることを示しています。

高校時代、お子様のアルバイトの労働時間を教えてください。

アルバイトをしていた高校生の労働時間は、「週5〜10時間未満」が44.7%で最多となりました。次いで「週10〜15時間未満」が24.3%、「週5時間未満」が19.4%と続きます。多くの生徒が、学業との両立を意識してか、週15時間未満に労働時間を調整している様子が伺えます。

  • 週5時間未満:20名(19.4%)
  • 週5〜10時間未満:46名(44.7%)
  • 週10〜15時間未満:25名(24.3%)
  • 週15〜20時間未満:7名(6.8%)
  • 週20時間以上:5名(4.9%)
アルバイトの労働時間はどのくらい?

「こども教材プラス」編集長・高野智弘からコメント

今回の調査で、高校生のアルバイトについて、保護者の皆様が理想と現実のギャップに悩んだ末、「勉強を優先すべきだった」と結論付けている実態が明らかになりました。約4割の方が学業への悪影響を感じ、約75%が後悔しているという事実は、非常に重く受け止めるべきです。

アルバイトで得られる社会経験や金銭的自立ももちろん価値がありますが、大学受験という人生の大きな岐路においては、限られた時間を何に投資すべきか、慎重に判断する必要があります。今回のデータが、その判断の一助となれば幸いです。

【高校生】バイトは学力低下につながる【デメリットが研究で証明済み】

<調査レポート名>
高校生のアルバイトに関する保護者の実態調査2025
<調査機関>
こども教材プラス総研(株式会社SUNCORE)
<調査対象>
高校時代にアルバイトを経験した、大学生・専門学生・短大生のお子様を持つ保護者103名
<調査方法>
インターネットを使用した任意回答
<調査時期>
2025年10月

ABOUT US
高野 智弘株式会社SUNCORE 代表取締役
埼玉県立和光国際高校→法政大学→東証プライム上場企業など数社→Webマーケティング会社を起業し、現在は教育分野の情報発信やマーケティング支援も行う。中学時代は内申点42/45点の好成績で、男子生徒の実質倍率15倍ほどの第一志望校に合格。明光義塾・関塾・大学受験ナビオ・増田塾などの通塾経験あり。マーケティングに関するセミナー講師を務め、累計参加者が400名を突破。経営者およびマーケター視点で、ロジカルな勉強法を発信しています。ABEMA Prime出演。プロフィール詳細はこちら