高校物理・物理基礎の公式一覧

物理とは、自然界の法則を数式で表現し、運動・力・エネルギー・電磁気・波・熱・原子の7分野で構成される高校理科の選択科目です。本サイトでは、高校 物理 公式と高校 物理 基礎 公式を5分野(力学/熱力学/波動/電磁気/原子)にわけて整理しました。各公式に解説と例題を併記しているので、共通テスト・私大入試・国公立2次対策にそのまま使える高校 物理 公式 一覧です。

力学(物理基礎+物理)

等加速度運動・ニュートン法則・運動量/エネルギー保存・円運動など、物理の基礎となる重要公式を収録しました。

公式等加速度運動の3公式
v=v0+at
x=v0t+(1/2)at2
v2−v02=2ax

一定の加速度aで運動する物体の速度・変位・関係式の3点セットです。3式は時間tの有無で使い分けます。1式は時間と速度、2式は時間と変位、3式は時間を含まず速度と変位の関係を表します。問題文に時間が出てこなければ3式を使うのが効率的です。

Ex 初速度v0=10m/s、加速度a=2m/s2で5秒後の速度:
①公式v=v0+atに代入
v=10+2×5=20m/s
法則ニュートンの運動方程式
F=ma

物体に働く合力Fは、質量mと加速度aの積に等しい。力学のすべての出発点となる第2法則です。複数の力が働く場合は、ベクトル和として合力を求めてからmaに当てはめます。単位はN(ニュートン)で、1N=1kg·m/s2

Ex 質量m=2kgの物体にF=10Nの力を加えた時の加速度:
a=F/m=10/2=5m/s2
法則運動量保存則
m1v1+m2v2=m1v1'+m2v2'

外力が働かない(または無視できる)系では、衝突の前後で運動量の総和が保存されます。質量×速度の合計が変わらないという法則で、衝突問題で必ず使う基本則です。1次元では符号(向き)に注意します。

Ex 質量2kgの物体が速度3m/sで静止物体(質量1kg)と完全弾性衝突。後者の速度を求める:
①運動量保存:2×3+0=2×v1'+1×v2'
②エネルギー保存も使いv2'=4m/s
法則力学的エネルギー保存則
(1/2)mv12+mgh1=(1/2)mv22+mgh2

保存力(重力・弾性力)のみが働く系では、運動エネルギーと位置エネルギーの和(力学的エネルギー)が保存されます。摩擦や空気抵抗が無視できる条件下で使用します。最高点・最下点の比較に最頻出。

Ex 高さ20mから自由落下する物体の地表での速度:
mgh=(1/2)mv2
v=√(2gh)=√(2×9.8×20)≈19.8m/s
公式仕事と仕事率
W=Fxcosθ
P=W/t=Fv

仕事Wは力Fと変位xの積に、力と変位のなす角の余弦を掛けたもの。垂直方向の力は仕事をしません。仕事率Pは単位時間あたりの仕事で、定速運動なら力×速度として表せます。単位はW(ワット)で1W=1J/s。

Ex 10Nの力で30°斜め上に物体を5m引っ張った仕事:
W=10×5×cos30°=25√3≈43.3J
公式円運動の向心力
F=mv2/r
F=mrω2

等速円運動する物体には、円の中心を向く向心力が必要です。半径r、速度v、角速度ωのうち、与えられた量に応じて2つの式を使い分けます。糸でつるした物体の最高点・最低点問題、コーナリング問題で頻出。

Ex 質量1kgの物体が半径2m、速度4m/sで等速円運動する時の向心力:
F=mv2/r=1×16/2=8N
公式単振動の周期
T=2π√(m/k)(ばね振り子)
T=2π√(L/g)(単振り子)

ばね振り子の周期は質量mが大きいほど・ばね定数kが小さいほど長くなります。単振り子の周期は糸の長さLが長いほど・重力加速度gが小さいほど長くなり、質量には依存しません。地球と月で周期が違うのはgが違うからです。

Ex ばね定数k=10N/m、質量m=0.1kgのばね振り子の周期:
T=2π√(0.1/10)=2π×0.1≈0.63s
法則万有引力
F=G(Mm)/r2

質量を持つ2物体の間に働く引力。重力定数G≈6.67×10−11N·m2/kg2。距離rの2乗に反比例するため、距離が2倍になると力は1/4になります。地球表面での重力g=GM/R2と同じ式から導けます。

Ex 地表での重力加速度(地球質量M≈6×1024kg、半径R≈6.4×106m):
g=GM/R2≈9.8m/s2

熱力学

熱量保存・状態方程式・熱力学第1法則。気体の振る舞いを数式で扱う分野です。

公式熱量と比熱
Q=mcΔT
C=mc

物質に与えられる熱量Qは、質量m・比熱c・温度変化ΔTの積。比熱は物質固有の値で、水は約4.2J/(g·K)、鉄は約0.45。熱容量CはmとcをまとめたものでQ=CΔT。熱量保存則と組み合わせて混合温度問題で頻出します。

Ex 100gの水を20°Cから60°Cに温める熱量:
Q=mcΔT=100×4.2×40=16800J(≈16.8kJ)
法則理想気体の状態方程式
PV=nRT

圧力P・体積V・物質量n・温度T(絶対温度K)の関係。Rは気体定数で約8.31J/(mol·K)。温度を一定にしたボイル則、圧力一定のシャルル則、両方を統合した結合則がこの1式に集約されます。Tは必ず絶対温度(K=°C+273)を使います。

Ex 1molの気体を27°C・1.0×105Paで保つ時の体積:
T=300K、V=nRT/P=1×8.31×300/(1.0×105)≈0.025m3(25L)
法則熱力学第1法則
ΔU=Q+W

気体の内部エネルギー変化ΔUは、加えられた熱量Qと外部から気体にされた仕事Wの和。Wの符号は流派により逆になることがあるため、定義を確認することが重要。等温・断熱・等圧・等積の4プロセスを区別して扱う問題が頻出です。

Ex 気体に20Jの熱を加え、気体が外部に5Jの仕事をした場合の内部エネルギー変化:
ΔU=Q−W=20−5=15J

波動

波の基本式から屈折・ドップラー効果まで。光・音・波の本質を一気通貫で押さえます。

公式波の基本式
v=fλ
T=1/f

波の速度vは振動数f(Hz)と波長λ(m)の積です。周期Tは振動数の逆数。音波(v≈340m/s)・水面波・光(v=3×108m/s)すべてに共通する基本式で、波動分野の出発点となります。

Ex 振動数f=500Hzの音波の波長(音速340m/s):
λ=v/f=340/500=0.68m
公式ドップラー効果
f'=f×(V−vo)/(V−vs)

音源と観測者の相対運動により観測される振動数が変化する現象。Vは音速、voは観測者速度、vsは音源速度(音源→観測者を正)。救急車のサイレンが近づく時に高く聞こえる現象として有名。符号の取り方が紛らわしいので、図を描いて整理する習慣をつけます。

Ex 音速340m/s、振動数500Hzの音源が20m/sで観測者に近づくとき、観測者が静止して聞く振動数:
f'=500×340/(340−20)≈531Hz
法則屈折の法則(スネルの法則)
n1sinθ1=n2sinθ2
n2/n1=v1/v212

光や波が異なる媒質に入る時の進行方向の変化を表す法則。屈折率n、入射角θ1、屈折角θ2の関係。n=c/v(媒質中の波速度)でもあり、波長と速度は媒質によって変わるが振動数は変わりません。

Ex 空気(n=1.0)から水(n=1.33)への入射角30°のとき屈折角:
1.0×sin30°=1.33×sinθ2
sinθ2=0.376→θ2≈22°

電磁気

オームの法則・クーロン力・電磁誘導など、電気と磁気を統一的に扱う重要公式群。

法則オームの法則
V=RI
P=VI=RI2=V2/R

電圧V・電流I・抵抗Rの関係。電力Pは3つの形で表せます。Iの2乗に比例するため、抵抗での発熱量はジュール熱としてP×t=RI2tで計算します。直列回路では電流共通、並列回路では電圧共通という基本も頻出。

Ex 100Ωの抵抗に2Aの電流が流れる時の電圧と消費電力:
V=RI=100×2=200V
P=VI=200×2=400W
法則クーロンの法則
F=k(q1q2)/r2

2つの点電荷の間に働く静電気力。kは比例定数でk≈9.0×109N·m2/C2。同符号の電荷は反発、異符号は引力です。万有引力と同じ「距離の2乗反比例」の形で、力学と類比して理解できます。

Ex q1=2×10−6Cとq2=3×10−6Cが0.1m離れている時の力:
F=9.0×109×6×10−12/0.01=5.4N
公式抵抗の合成
R直列=R1+R2
1/R並列=1/R1+1/R2

直列接続では抵抗値が加算され、並列接続では逆数和の逆数になります。並列の方が合成抵抗が小さくなるため、家庭の電気は基本的に並列配線です。並列2本ならR1R2/(R1+R2)と覚えると速い。

Ex 2Ωと3Ωの抵抗を並列接続:
R=R1R2/(R1+R2)=6/5=1.2Ω
法則ファラデーの電磁誘導
V=−N(dΦ/dt)

閉回路を貫く磁束Φが変化すると、コイルに起電力Vが生じる。Nはコイルの巻数、負号は誘導起電力が変化を妨げる向き(レンツの法則)に発生することを示します。発電機・トランス・IH調理器などすべてこの法則の応用です。

Ex 100巻のコイルを貫く磁束が0.1秒で2×10−3Wb変化した時の誘導起電力:
|V|=N(ΔΦ/Δt)=100×0.02=2V
法則ローレンツ力
F=qvBsinθ

磁束密度Bの磁場中を速度vで運動する電荷qに働く力。vとBが垂直のときF=qvBで最大、平行のときは0。電子線が磁場中で円運動するブラウン管TV、サイクロトロンの原理。フレミング左手則で方向を決めます。

Ex 電子(q=1.6×10−19C)が106m/sで磁場0.1T中を垂直に進む時の力:
F=1.6×10−19×106×0.1=1.6×10−14N

原子

発展内容です。光電効果・物質波など、量子力学の入口となる公式を収録しました。

公式光電効果
(1/2)mv2=hf−W

金属に光を当てると電子が飛び出す現象。光の振動数fが限界値以上でないと電子は出ません。hはプランク定数(6.63×10−34J·s)、Wは仕事関数(金属固有の値)。光が粒(光子)として振る舞う証拠で、量子力学の出発点となった現象です。

Ex 振動数f=1015Hz、仕事関数W=3×10−19Jの場合の電子の最大運動エネルギー:
K=hf−W=6.63×10−19−3×10−19≈3.63×10−19J
公式ド・ブロイ波長
λ=h/(mv)

あらゆる粒子は波としての性質を持つ(物質波)。質量m・速度vの粒子の波長λはプランク定数を運動量で割ったもの。電子線の回折実験で確認されました。電子は十分軽いので波長が観測可能ですが、野球ボールの波長は無視できる小ささです。

Ex 電子(m=9.1×10−31kg)が106m/sで運動する時の波長:
λ=h/(mv)=6.63×10−34/(9.1×10−25)≈7.3×10−10m

高校物理の練習問題10コ

大学入試で頻出の高校 物理 問題から10問を厳選しました。力学3問・熱力学2問・波動2問・電磁気3問の4分野構成で、4択形式+折りたたみ式の解答解説付きです。

問1[力学] 等加速度直線運動で初速度v0=5m/s、加速度a=3m/s2のとき、4秒後の速度として正しいものを選べ。

  • ① 8 m/s
  • ② 12 m/s
  • ③ 17 m/s
  • ④ 20 m/s
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解答③ 17 m/s

公式v=v0+atに代入。v=5+3×4=17m/s。

問2[力学] 質量2kgの物体に水平方向に10Nの力を加えた。加速度として正しいものを選べ。

  • ① 2 m/s2
  • ② 5 m/s2
  • ③ 10 m/s2
  • ④ 20 m/s2
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解答② 5 m/s2

ニュートンの運動方程式F=maよりa=F/m=10/2=5m/s2

問3[力学] 高さ20mから自由落下する物体の地面での速度として最も近いものを選べ(g=9.8m/s2)。

  • ① 10 m/s
  • ② 15 m/s
  • ③ 20 m/s
  • ④ 30 m/s
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解答③ 20 m/s

力学的エネルギー保存則mgh=(1/2)mv2よりv=√(2gh)=√(2×9.8×20)≈19.8m/s。

問4[熱力学] 200gの水を15°Cから35°Cに温めるのに必要な熱量を選べ(水の比熱4.2J/(g·K))。

  • ① 8.4 kJ
  • ② 16.8 kJ
  • ③ 33.6 kJ
  • ④ 84 kJ
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解答② 16.8 kJ

Q=mcΔT=200×4.2×20=16800J=16.8kJ。

問5[熱力学] 理想気体の体積を一定にして温度を300Kから600Kに上げた時、圧力はどう変化するか。

  • ① 1/2倍
  • ② そのまま
  • ③ 2倍
  • ④ 4倍
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解答③ 2倍

PV=nRTでVが一定ならP∝T。温度2倍で圧力2倍。

問6[波動] 振動数500Hz、波長0.68mの音波の速度として正しいものを選べ。

  • ① 170 m/s
  • ② 340 m/s
  • ③ 680 m/s
  • ④ 1360 m/s
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解答② 340 m/s

波の基本式v=fλ=500×0.68=340m/s(標準音速)。

問7[波動] 屈折率1.5の媒質中を進む光(真空中の速度c=3×108m/s)の速度を選べ。

  • ① 1.5×108 m/s
  • ② 2×108 m/s
  • ③ 3×108 m/s
  • ④ 4.5×108 m/s
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解答② 2×108 m/s

屈折率n=c/vよりv=c/n=3×108/1.5=2×108m/s。

問8[電磁気] 5Ωの抵抗に4Aの電流が流れる時の電圧として正しいものを選べ。

  • ① 0.8 V
  • ② 9 V
  • ③ 20 V
  • ④ 100 V
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解答③ 20 V

オームの法則V=RI=5×4=20V。

問9[電磁気] 100Vの電圧で4Aの電流が流れる電気器具の消費電力を選べ。

  • ① 25 W
  • ② 100 W
  • ③ 400 W
  • ④ 1600 W
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解答③ 400 W

P=VI=100×4=400W。

問10[電磁気] 10Ωと15Ωの抵抗を並列接続した時の合成抵抗として最も近いものを選べ。

  • ① 6 Ω
  • ② 12.5 Ω
  • ③ 25 Ω
  • ④ 150 Ω
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解答① 6 Ω

R=R1R2/(R1+R2)=10×15/25=6Ω。